出稼ぎ
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出稼ぎ(でかせぎ)とは、所得の低い地域や就職先の少ない地域に在住する者が、単身で所得が高く就職先も多い地域で就労すること。
[編集] 概要
かつては、米国や中国に家政婦や売春婦として出稼ぎに行く女性がおり、特に中国へ行く女性は「唐ゆきさん(からゆきさん)」と呼ばれた。また国内では、東北地方や北陸地方などの寒冷地方の農民が、冬季などの農閑期に首都圏の建設現場などに働き口を求めて出稼ぎして来ることが多かった。近年では中国やフィリピン、ブラジル、パキスタンなどの開発途上国をはじめとする外国からの出稼ぎ者が多い(ニューカマー)。また、アメリカやカナダ、オーストラリアなどの先進国とされる国々から、英語教師やホステス、露天商として出稼ぎに来る例も近年目立っている。
しかし、日本では単純労働者に対して就労ビザが発給されないため、彼らの多くは学生ビザや観光ビザ、親族訪問ビザで入国した上で不法就労しており、日本政府からも出身国政府からも保護は受けられず、また、中国人や韓国人の不法就労者を中心に凶悪犯罪を起こすものがあとを絶たず、社会問題となっている。
なお、発展途上国からの出稼ぎ者の多くが給与の多くを本国の家族に送金しているケースが多いのに対し、先進国からの出稼ぎ者の殆どは自分の生活資金として自分で使う。
また、就職先の少ない地方に在住する若者が、首都圏の専門学校や大学への入学、もしくは就職のために上京することも広義では出稼ぎの範疇に入る。1960年代までは首都圏の工場や中小企業などへの集団就職のために上京というケースが多かったものの、近年は都会の華やかな生活や自由な雰囲気、豊富な就職先に憧れて上京するケースが殆どである。