冷陰極管
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冷陰極管(れいいんきょくかん)は細径の小型蛍光管で発光原理は概ね一般の蛍光管と同様である。
近年、液晶バックライト用の光源として急速に発展した。現在、この冷陰極管市場の主導権を握るのは日本である。
[編集] 電極の電子放出原理
一般の蛍光管:熱陰極管(HOT Cathode Fluorescent Lamp-HCFL)は電極を加熱して熱電子放出を行う。 これに対して冷陰極管(Cold Cathode Fluorescent Lamp-CCFL)は陰極を加熱しないで電子放出を行う。
このために、熱陰極管に比べて冷陰極管は陰極降下電圧が大きく、その陰極降下電圧は蛍光管の発光に寄与しないのでそのまま熱的な損失となる。このため、冷陰極管は熱陰極管に比べて発光効率が若干悪い。
しかし、近年になって陰極材料が改善され、陰極降下電圧が下がる目処がついたため、冷陰極管の発光効率は大幅に改善される見通しとなった。
[編集] 冷陰極管の陰極材料
従前はニッケル電極が主流であったが、モリブデン電極が開発されることにより陰極降下電圧が大幅に下がった。
また、陰極材料としてカーボンナノチューブも注目される。
また、パイオニアと東芝がそれぞれに発見したダイヤモンド薄膜効果により、陰極降下電圧はさらに半分に下がるとされている。