共依存
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共依存(きょういそん)とは、何らかの依存症患者とその依存状態を支えてしまう関係性になった者との関係及び状態。
[編集] 概説
この表現は、アダルトチルドレン同様、アルコール依存症患者周囲の人間関係から派生した用語で、学術的な用語ではない。そのため、その定義は時代と共に変化し続けている。より一般的に言えば、ある人間関係に囚われている状態と定義する事もできる。
共依存の用語は正しく使えば自己と他者の分離に役立つが、誤って用いると自分が共依存であるからいけないんだという認識を引き起こす危険性があるため、注意が必要である。
[編集] 共依存現象について
境界例には、他人の感情への侵入・介入と言う現象を引き起こす事が多く、健全者でも知らない間に共依存の関係に巻き込まれる事が多い。専門家である精神科医もこの現象に巻き込まれる為、境界例の患者を診る場合は一歩引いた立場を取るのが通常である。この場合巻き込まれた側は、そのうち酷いストレスを抱え込むことになり、精神的な異常を訴えたり、場合によっては自殺するケースもある。
ゆえに、それを防ぐ見地からも、医療・保健・薬剤・福祉・心理関係者はそうした患者と接する場合には一定(または相当)の距離をとる必要がある。決して個人的な関係にしてはならない。それは患者のためというだけではなく、患者に接して援助する者の生活や人生が台無しになりかねないからである。当然、それが患者のためにならないことは言うまでもない。
患者自身も、相対する相手のことを大切にしたいと思うのであれば、一定の距離を医療・福祉従事者がとることの意味を理解し、支援を受けることに感謝しつつも、過度の感情移入を避け、自分自身の置かれている境遇をまずは素直に受け入れて、「自分の人生は自分で切り開いていくしかない」と冷静に自省することが結果として患者自身のためになると思われる。
また、通常の人間関係においてもほどよい適度な距離を保つことも生きていく上ではとても大切なことである。
[編集] 関連項目
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