傅膏機密
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傅膏機密(ふこうきみつ、英語 Annointing)は東方正教会の七つの機密のひとつで、洗礼や聖洗と呼ばれる奉神礼の一部である。洗礼機密に引き続き行なわれる。
- カトリック教会で堅信礼と呼ばれる秘蹟に相当するが、堅信礼が自覚ある者に成長してから洗礼と別に行なわれるのが一般的であるのと違って、傅膏機密はいち早く神の恵みに与かれるように洗礼機密に引き続き行なわれる。
[編集] 洗礼の後半部
現在の東方正教会では、傅膏機密は洗礼式の後半部に行われる。二つの機密を含む全体が、奉神礼としての洗礼式をなしているのである。以下、傅膏機密とそれに続く式次第を示す。
傅膏機密では聖膏が塗られる。この聖膏は、各国地域の正教会の中でも「自治独立教会」と認められる教会に於いて、多くの主教が集まって作られるもので、聖神を伝えるものとされている。聖神が伝えられて、啓蒙者は光照者(こうしょうしゃ)となる。もちろん「上よりの東」(降誕祭トロパリ)であるハリストスが照らすのである。
初代教会では大斎の時期を啓蒙者の教育に充て、洗礼は復活大祭に合わせて行なわれていたようである。復活節ではヨハネ福音書と使徒行伝が読まれるが、これはハリストスの奥義と初代教会の歩みを、新たに信者となったものに教えるのカリキュラムの役割を果していた。そしてこの傅膏機密までを行なった後、洗礼着を着たままで光明週間をすごし、その後に次の「滌浄」を行なった。
滌浄(できじょう)では、付けられたままになっていた「喜びの油」を海絨(ヒソプ)を以って拭う。「新たな人」への生まれ変わりが完了し、信徒としての歩みを始める。
剪髪式(せんぱつしき)では、その信徒としてのはじめての捧げ物、捧物の初穂として、頭の毛を少し切り取る。