伊勢おおまつり
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伊勢おおまつり(いせ-)は、三重県伊勢市で毎年10月に開催される市民の祭。 (お)伊勢大祭と表記することもある。 伊勢おおまつり運営委員会が主催する。
もともと、神宮(伊勢神宮)で斎行される神嘗祭を伊勢の民衆は「おおまつり」と呼び、各町で会式を行ってきたが、1895年(明治28年)に各町の会式を廃止統合し、宇治山田町(当時)全体の祭りとして発足した。
その後、1972年(昭和47年)に「初穂曳」が始まり、2001年(平成13年)に全国の主な祭りが奉祝にやってくる「神嘗祭奉祝事業(2006年は奉祝神嘗祭と表記。)」が始まった。 この2行事は主催者は異なり開催日も異なることがある(後述参照)が、目的と開催場所が共通するので、おおまつりの一部として扱われる。
初穂曳・神嘗祭奉祝事業を除くと市民のパレードと奉曳車の運行が中心である。
[編集] 初穂曳
神宮式年遷宮において催行されるお木曳行事・お白石持行事が20年ごとの行事で、奉曳の技術伝承に支障が懸念されたため、1972年から毎年開催されている行事。
その年に収穫された新穀をお木曳行事・お白石持行事と同様に外宮へは陸曳で内宮へは川曳で奉曳し、奉納する。
陸曳は、伊勢神宮奉仕会青年部が主催し、全国からの一日神領民も受け入れる。奉曳コースは、お木曳行事・お白石持行事と異なり県道鳥羽松阪線の尼辻交差点から伊勢市駅前を経由して外宮表参道口までである。
川曳は、伊勢神宮奉仕会に属する内宮領の各学区で連合奉曳団を結成する。奉曳コースは、お木曳行事・お白石持行事と同じく五十鈴川で、三重県立体育館裏から遡り宇治橋手前で内宮境内に曳き上げる。
[編集] 神嘗祭奉祝事業
神嘗祭奉祝委員会が主催する。神嘗祭奉祝のため、全国の主な踊り団体等が踊りを披露する。参加者は踊り披露後、地元で収穫された新穀を神宮に奉納する。 2001年から始まり2006年には以下の踊り等が参集した。
阿波踊り(徳島県)、花笠踊り(山形県)、エイサー(沖縄県)、郡上踊り(岐阜県)、木曽踊り(長野県)、おわら風の盆(富山県)、じゃこっぺ踊り(三重県)、伊勢音頭(三重県)、諏訪御柱木遣(長野県)、江戸流かっぽれ(大阪府)、よさこい祭り(高知県)、神輿(三重県)
[編集] 日程
開催日は、神宮の神嘗祭の日程に合わせ、10月15日から17日の間とされていたが、1991年(平成3年)から、神嘗祭直前の土日開催となる。但し、初穂曳は外宮領陸曳が15日、内宮領川曳が16日開催であるほか、宇治地区の祭りは17日開催、奉祝神嘗祭は15日開催(14日には前夜祭)である。
2006年(平成18年)の日程・開催場所と主な内容は以下のとおり。
開催日 | 開催場所 | 祭り名称 | 主な内容 |
10月14日(土) | 県道鳥羽松阪線 | 市民パレード | よさこいソーラン、ヒップホップ、太極拳 |
三重県営サンアリーナ | 神嘗晦日祭 | (神嘗祭奉祝事業の項目参照) | |
10月15日(日) | 県道鳥羽松阪線 | 市民パレード | ねぶた、伊勢音頭、西条だんじり、和太鼓、手筒花火 |
奉祝神嘗祭 | (神嘗祭奉祝事業の項目参照) | ||
初穂曳(外宮領) | 陸曳奉曳 | ||
10月16日(月) | 五十鈴川 | 初穂曳(内宮領) | 川曳奉曳 |
10月17日(火) | おはらい町ほか | 宇治地区の祭り | 宇治大神輿、伊勢音頭 |