人工天体
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人工天体(じんこうてんたい)とは、人為的に宇宙空間に置かれ衛星軌道などに乗せられた物体、つまり人為的に天体にされた物体のことである。
[編集] 概要
これらでは、その在り様によって様々な区分がある。
- 人工衛星
- 惑星の衛星軌道を回る物だが、月などの衛星を周回する場合は孫衛星と呼ぶ。
- 人工惑星
- 恒星に対して公転軌道を巡る物。
- 宇宙ステーション
- 宇宙空間に人間が長期間滞在するための施設として衛星軌道または公転軌道(場合によっては自由軌道)に乗せられる。大勢の人間が永住する住空間としてのそれは、スペースコロニーと呼ばれる。
なおこれらは、人為的にそこに置かれた天体であるかどうかが重視され、その物体の大きさや構造(複雑さ)は関係しない。軌道にさえ乗っていれば、それが単なる鉄球であろうとも、やはり人工天体と呼ばれる。他方では曳航されてきた小惑星が他の軌道に乗っている場合は、元から天体であるため、あまり人工天体の範疇にはみなされなかろうが、将来的に小惑星帯から曳航されてきた小天体が、地球の周回軌道に乗っていたら、やはり人工天体の範疇に含むかもしれない。
極大の物では、恒星域を球殻で覆ってしまうダイソン球のような物も想定されている。
実在の人工天体で最も代表的なのは地球を周回する多数の人工衛星だが、火星などの惑星を調査する探査体も人工天体(この場合は人工惑星)である。
以上とは別に、SFなどのフィクションにおいては、天体を模した巨大な建造物を指す架空の用語として「人工天体」を用いていることが良くある。(例としてはデス・スター等)