宇宙ステーション
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宇宙ステーション(うちゅう-、Space station)は、地球の軌道上などの宇宙空間にあり、人間がそこで生活し続けられるように設計されている人工天体のこと。
宇宙ステーションは、有人の宇宙船とちがって、推進・着陸のための設備を持たない。宇宙ステーションは、数か月間にわたる軌道上の生活のために設計されている。その代わり、他の乗り物は宇宙ステーションどうしの間の輸送に使用される。
[編集] 現実の宇宙ステーション
いくつかの宇宙ステーションの設計は、多くの人々が長期の宇宙生息地(space habitat)として、とくに人々が彼らの家を作る「宇宙の都市」として利用できるように提案された。これまでのところ、そのような設計はすべて単に仮説で、実際の実現のために真剣に考慮されてはいない。
[編集] 未来の宇宙ステーション
宇宙ステーションは自由落下中であるため、そのままでは内部は無重量状態(実際は微重力)である。そのため、長時間生活することによって筋肉が衰えたり、骨からカルシウムが溶け出したりするなどの悪影響が出る。また、無重量状態においては、気を付けていないとものが散乱してしまうため、ものの取り扱い、特に液体などの取り扱いに十分な配慮が必要である。
そこで、遠心力を利用して、重力が発生しているのと同じような環境を作れるような宇宙ステーションが考案されている。SFにはそのような施設が数多くあり、回転軸を中心にした、車輪状の形状をした宇宙ステーションが考案されている。このタイプの宇宙ステーションは、スペースコロニーとも重なり、遠心力を擬似重力として利用した生活空間を内包する。SF映画「2001年宇宙の旅」に出てくる宇宙ステーションがその代表的な例である。