井笠鉄道記念館

出典: フリー百科事典『ウィキペディア（Wikipedia）』

井笠鉄道記念館（いかさてつどうきねんかん）は、岡山県笠岡市山口1457-8にある鉄道保存展示施設。元は井笠鉄道本線の新山駅（にいやまえき）だった。

目次 1 経緯 2 概要 3 開館情報 4 交通アクセス 5 参考文献 6 外部リンク

[編集] 経緯

井笠鉄道の鉄道線の内、最後まで残った本線も1971年（昭和46年）3月31日を限りに運行を取りやめたが、井笠鉄道は数ある軽便鉄道の中でも遅くまで残ったため、車輌が多く保存されていた。井笠鉄道の前身である井原笠岡軽便鉄道が創立されてから70周年に当たる1981年を期して、旧新山駅舎を流用した「井笠鉄道記念館」を設置し、車輌も保存することとなった。

[編集] 概要

木造の旧駅舎は建築当時のまま保たれているが、東側を通る岡山県道48号笠岡美星線が拡幅した際、建物全体をやや西へ移動させたという。駅舎内にはタブレット閉塞機、往時の写真、切符、沿線観光を織り込んだ路線図、入挟器、レール断面などが展示されている。

記念スタンプも設置されている。但し、展示物を解説したパンフレット等は無い。かつて新山駅長だった人が駅舎や車輌の管理を行っており、保存状態は極めて良い。

駅舎北側には、旧車輌が3輌静態保存されている。

• 1号機関車　1913年、コッペル社（ドイツ）製の蒸気機関車。鉄道線全廃翌年の1972年から5年間、西武山口線で「おとぎ列車」の牽引に使用されていた。
• ホハ1　木造客車。1913年、日本車輌製。
• ホワフ1　木造貨車。1914年、日本車輌製。

※当記念館以外の場所に保存されている井笠鉄道車輌については、井笠鉄道を参照。

[編集] 開館情報

• 9時から17時まで。毎週水曜日休館。入場無料、写真撮影自由。
• 電話：0865-65-2218

[編集] 交通アクセス

• JR笠岡駅から井笠鉄道バス井原バスセンター行き・矢掛行きで「新山」下車。
• 井笠鉄道バス「カブトガニ号」で「新山」下車。
• 岡山県道48号笠岡美星線沿い。

[編集] 参考文献

• 『軽便鉄道』（松本典久著、保育社、1982年）
• 『消えた鉄道を歩く』（堀淳一著、講談社、1986年）
• 『鉄道廃線跡を歩くII』（宮脇俊三編著、日本交通公社出版事業局、1996年）

[編集] 外部リンク

• 笠岡市公式ホームページ
• 上田鉄道写真館　個人サイト。井笠鉄道記念館の写真など。