丸栄

出典: フリー百科事典『ウィキペディア（Wikipedia）』

丸栄（まるえい、登記上の商号は株式會社丸榮）は、日本の百貨店の一つ。

丸栄本店

店舗は愛知県名古屋市中区栄の一等地にある。松坂屋名古屋本店・名鉄百貨店・三越名古屋栄店とともに「4M」と呼ばれている名古屋の老舗百貨店の一角。豊橋市に関連会社の豊橋丸栄がある。

栄にあった十一屋（1615年に十一屋呉服店として名古屋で創業）と三星（京都・丸物創始者の中林仁一郎が開業）が戦時統合で合併して成立。現在の本店の建物は旧・三星のものであり、十一屋の建物は国際ホテル丸栄として営業の後、跡地が名古屋国際ホテルとなっている。2社合併で成立した関係から旧・十一屋の後藤家と旧・三星＝丸物の中林家が経営に関与していたが、経営不振から1955年に興和から川崎音三を迎えて経営再建にあたらせた。なお、現社長は後藤家から出ていて、後藤家の本家筋に当たる興和が筆頭株主、中林家・川崎家も大株主として名を連ねている。また、元々の中林資本だった丸物自体が近鉄百貨店などに吸収された現在では、最後に残った中林資本の百貨店となっている。

当初より松坂屋という圧倒的な存在との差別化という関連からカジュアルな路線を採っていたが、近年では先述の3店舗とのさらなる差別化を狙ってか、10代後半～20代前半のヤングレディース層に人気が高いギャル系ブランドに特化したテナント構成となっている。

高島屋とは資本・商品面で交流が深く高島屋ハイランドグループに属してはいるものの、高島屋が名古屋駅に進出して後は、同じハイランドグループに属する京王百貨店との関係を強化。地下の食品売り場で集客しているミセス層向けの売り場強化を図ろうとしている(ちなみに両社は高島屋に競合する店舗を進出されたという共通点を有している)。