中毒
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中毒(ちゅうどく)とは、「毒に中(あた)る」の意味であり、生体に対して毒性を持つ物質が許容量を超えて体内に取り込まれることにより、生体の正常な機能が阻害されることである。
またこの言葉は、精神作用物質の中毒により引き起こされる症状から転じて、しばしば依存症全般の俗称として、さらには精神疾患としての依存症とは言えないまでも、趣味に対して異様な執着を見せるマニア・フリーク等を揶揄して用いられることもある。
「○○中毒」という用語に対しては、それがどちらの意味で用いられているのかを分別する必要がある。
[編集] 分類
前者に上げた中毒は、食中毒や強力な毒物を取り入れることで起こる急性中毒と、長期間にわたって少量ずつ体内に化学物質が貯留することで起こる慢性中毒に分けられる(「俗に言う中毒」=依存症を形成する原因物質にも組織や機能の障害を引き起こすものがあるが、必ずしも体内に貯留する訳ではなく、本態的には化学物質で起こる微小な組織・機能障害自体が蓄積されて重篤な身体症状となるのであり、本来の意味の慢性中毒とは異なる病態である)。
また、外部から体内に有害物質が取り入れられて起こる外生中毒と、伝染病や尿毒症などの体内で生成された毒素によって起こる内生中毒(自家中毒)にも分けられる。
覚せい剤や幻覚剤など、物質の中枢神経系に対する作用による著明な不適応行動や心理的変化が、物質の使用中または使用直後に発現する場合、物質関連精神疾患の「物質中毒」として扱われる。
[編集] 中毒量
どんな物質であっても大量に摂取すれば有害作用を示すようになるが、通常は比較的少量でも身体に害を及ぼすものを毒物または毒素といい、中毒を起こす最低量のことを中毒量と呼ぶ。しかしながら、中毒量は解毒作用の個体差や状態により大差がある。