上丸子駅

出典: フリー百科事典『ウィキペディア（Wikipedia）』

上丸子駅（かみまるこえき）は1918年 11月21日の開業から1969年 4月19日の廃止まで設置されていた上田丸子電鉄丸子線の駅。上田市の旧小県郡丸子町地区で町制施行時の領域にあった4駅のうちの一駅。

[編集] 概要

小県郡丸子町は1912年 10月30日に小県郡丸子村が町制を施行し発足しているが、同村が町制施行したわけだから最初は旧同村村域がそのまま丸子町域であり、町域の大字は腰越・上丸子・中丸子・下丸子の4つしかなかった。開業当時丸子町域だったのは丸子町駅・中丸子駅・下丸子駅（のち信濃丸子→丸子鐘紡駅）とこの駅だったが、全駅とも廃止まで駅舎を持ち、駅員が切符を販売する駅であった。この駅もご多分にもれずであったが唯一あったのが貨物側線。この駅は交換設備を持ち合わせていなかったが貨物輸送の関係から貨物側線が設けられていたという。ちなみにこの駅の隣には『丸子劇場』という劇場があった。ここは開業の前年に柿落とし。戦前は旅回りの一座が演じる実演場であったが戦後『丸子映画劇場』としてリニューアル。この駅は同場の最寄り駅となり人気映画が公開される頃には混雑していたと言われる。

駅の廃止後は丸子町道（現在は上田市道）として整備。隣にあった『丸子劇場』は後に廃場し解体され、ボーリング場となった後創価学会の施設となった。現在は創価学会の施設が駅があった事を示すポイントとなっている。

[編集] 西丸子線連絡線計画

丸子線は起点が上田丸子電鉄の他の2線が接続する信越本線（現：しなの鉄道線）上田駅に接していないため車輛合理化の点で問題があったため、八日堂駅～上田駅を連絡する路線を作り2起点方式を取ろうとしたが（1955年 5月4日に役員会で決定したが、1960年 3月29日に計画を取り下げて頓挫）、この計画が話し合われる以前、この駅から西丸子線の寿町駅まで連絡線を作り、上田駅と丸子町駅を結ぶ計画を立てていた。これは西丸子線の支線として計画され、寿町駅～上丸子駅間0.8kmが1951年 7月31日に運輸省（現在は国土交通省）から路線敷設認可が交付されたが、用地買収が難航した。この間に役員会が計画を切り替えたため結局起工に至らず1956年 8月17日に失効。未工線となってしまった。もし建設されていたら西丸子線本線の下之郷駅～寿町駅間が改良されていたのは間違いないからそこだけ存続し、上田市の旧丸子町地区から別所温泉へ行く交通手段が電車でも確保されていたかもしれない（この場合でも寿町駅～西丸子駅は廃止になっている可能性が大きい）。