一つの中国
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一つの中国(ひとつのちゅうごく)とは、中国関係の政治思想、政策の一つ。中国語では一個中國。
中国大陸、マカオ、香港、台湾省、チベット自治区、新疆ウイグル自治区は分割不能の中華民族の国家、「中国」でなければならないという政治思想、政策。
特に中華人民共和国と中華民国の統一問題で言及される事が多く、この二つの中国が将来に一つの中国として統一される事を中国統一と呼ぶ。
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[編集] 中華人民共和国の主張
- 中国は世界でただ一つだけあって、台湾は中国の一部分で、中華人民共和国政府が全中国を代表する唯一の合法的政府である。
- 中国大陸と台湾島は1つの中国であり、中国の主権と領土の分割は許さない。
- 現在まだ統一を達成されていないことに、双方は共に努力するべきで、一つの中国の原則の下、対等に協力し、統一を協議する。
- 一つの国家のとして主権と領土の分割は認めず、台湾の政治的地位は一つの中国を前提として討論するべきであり、一国二制度のあり方を検討する。
2005年には、台湾の独立阻止を念頭に反国家分裂法を制定し内外から強い批判を受けている。
[編集] 中華民国の主張
- 1951年~1971年は国際連合代表権を巡って争っていた時期でもあり、1971年の国連追放以後も「三不政策(3つのノー政策)」を掲げている。中国国民党統治の下「一つの中国」政策を取り、その中で「中華民国が中国を代表する政府である」という主張を展開する。
- 李登輝時代
- 陳水扁時代
- 2000年以降、「台湾」として独立する動きの高まりにつれて「一つの中国」政策が揺らいできている。
- 2000年には就任演説で四つのノー、一つのないを表明。
- 2006年には国家統一委員会と国家統一綱領の「終止」を決定する。
[編集] 国際社会の反応
- 「中華人民共和国を中国の唯一の合法的政府」と承認(recognize)し、「台湾は中国の一部である」と認知する(acknowledge)として、今の所、台湾の独立は支持しないという立場を取っている。しかし、中華人民共和国側の反国家分裂法制定に、台湾関係法の適応を視野に入れた軍事的牽制が続いている。
- 日中共同声明を踏襲し「中華人民共和国を中国の唯一の合法的政府」と承認(recognize)し、「台湾は中国の一部である」と理解し尊重する(understand and respect)として、現状では台湾独立は支持しないという立場を取っている。