ロマン・ポランスキー
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ロマン・ポランスキー (Roman Polanski, 1933年8月18日 - ) はユダヤ系ポーランド人の映画監督。
フランス・パリで生まれる。母親は第二次世界大戦時にアウシュビッツでナチスに虐殺され、自身も「ユダヤ人狩り」から逃れるため転々と逃亡した。この体験が自身の作品に深く影響を与えることとなった。
1962年に『水の中のナイフ』で監督デビュー。社会主義体制のポーランドでは黙殺されたが西側諸国で絶賛された。その評判に惹かれるように1963年にイギリスに渡り映画『吸血鬼』などを製作する一方で、アメリカのヒューストンに居を構える。『吸血鬼』で主演した女優シャロン・テートと結婚(彼の2度目の結婚)。しかし、ほどなくしてチャールズ・マンソンを信奉する女性狂信的(カルト)教団に彼女を殺害されるという事件に襲われる。シャロン・テートは殺害された時、彼の子を身ごもっていたという。
彼はアメリカに絶望するが、立ち直り作品を撮り続けた。しかし1977年にジャック・ニコルソン邸で、当時13歳の子役モデルに性的行為をした事により逮捕、裁判で有罪の判決(実刑 懲役50年以上という換算)を受ける。逮捕・収監を避けるため、映画撮影と偽ってアメリカを出国し、ヨーロッパへ逃亡した。以後アメリカへ1度も入国していない。1989年に女優のエマニュエル・セニエと3度目の結婚をしている。
『戦場のピアニスト』でアカデミー監督賞を受賞したが、上記の問題を恐れて授賞式には参加しなかった。
なお、日本で使われている「ポランスキー」は間違いで「ポランスキ」が正しいと思われる。
[編集] 監督作品
- 『水の中のナイフ』Nóz w wodzie (1962)
- 『反撥』 Replusion (1964)
- 『世界詐欺物語』 Le plus belles escroqueries du monde (1964)
- 『袋小路』 Cul-de-sac (1965)
- 『吸血鬼』 The Fearless Vampire Killers (1967)
- 『ローズマリーの赤ちゃん』 Rosemary's Baby (1968)
- 『マクベス』 Macbeth (1971)
- 『チャイナタウン』 Chinatown (1974)
- 『テナント/恐怖を借りた男』 The Tenant / Le Locataire (1976)
- 『テス』 Tess (1979)
- 『ポランスキーのパイレーツ』 Pirates (1986)
- 『フランティック』 Frantic (1988)
- 『赤い航路』 Bitter Moon (1992)
- 『死と処女』 Death and the Maiden (1995)
- 『ナインスゲート』 The Ninth Gate (1999)
- 『戦場のピアニスト』 The Pianist (2002)
- 『オリバー・ツイスト』 Oliver Twist (2005)
カテゴリ: ポーランドの映画監督 | 1933年生