レバント
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レバント(Levant)とはギリシャからエジプトに亘る、東部地中海沿岸地方の名称。もとフランス語のルヴァンで、さらにその起源はイタリア語のレヴァンテ(日の出る地方)。英語の初文献は1443年。
東部地中海沿岸のアナトリアからシリア、パレスチナ、エジプトにかけては多数の富裕な港があり、イタリアのヴェネツィア共和国、ジェノヴァ共和国、ピサ、アマルフィなど海洋都市国家は競ってこれらの港と貿易を行い、その利益をめぐり互いに戦争を行うほどだった。この貿易をレヴァント貿易(東方貿易)と呼び、その港のある東部地中海沿岸をレヴァントと呼んだ。イタリアの海洋都市国家がレヴァントとの貿易で輸入したのは、これら地中海沿岸で生産されたものもあったが(農産品や織物など)、それらよりも、遠くインドや東南アジア、中国、あるいはアフリカからなどから運ばれてきた絹、スパイス、胡椒、象牙など高価で希少な、ヨーロッパではぜいたく品とされた品々が主だった。
[編集] 関連項目
- レバント赤 Levant red
- シナヨモギ Levant wormseed
- シナ花油 Levant wormseed oil
- レバント・ドル Levant dollar
- レバンター levanter
- レバンティン Levantine
- レバント・モロッコ Levant morocco
- ストラックス(蘇合香)―ソゴウコウジュ storax