ルサンチマン
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ルサンチマン(ressentiment)はデンマークの思想家セーレン・キェルケゴールにより確立された哲学上の概念である。主に、弱い者が強い者に対して強い憎しみを抱いていることをいう。 フリードリヒ・ニーチェの『道徳の系譜』(1887年)で使用され、マックス・シェーラーの『ルサンチマンの人間』で再度とり上げられ、一般的に使われるようになった。
ルサンチマンでは、嫉妬と願望に関係した憤りや怨恨を感じることが、反感を感じられる相手への(不誠実な)憎しみと(行動をし、状況を生きる等のことへの)感情と共に重要であると解釈される。それ故に、一人だけでは成り立たないものである。
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[編集] ニーチェ
ニーチェは、ルサンチマンを奴隷の道徳というものと結びつけた。 ルサンチマンであることは、哲学者にとって人間の本能であり、その活動は禁止され、空想上の復讐でのみ埋め合わせられる( Généalogie de la morale, trad. P. Wotling, Paris, Livre de poche, 2000)。 よって、ルサンチマンを行うのは非常に受け身的で、即ち無力な状況である。 ルサンチマンに陥る人は誰であっても、行動を禁じて無力な状態にある。 力はこの(復讐の願望を克服する時の様に、一時のものではない)状態を克服する事から構成され、 その弱点はそれどころか、解決にならず(例えば復讐願望が脅迫観念になる、または、行為の後悔が道徳的苦悶となりあとに思考が残らない)、そして価値観の否定及び反転によって、欲求不満を、その無力でもって正当化する利点と共に変形させる。 この正当化のtouverは奴隷の心的状態と特徴付けられる。
[編集] ジル・ドゥルーズ
ルサンチマンは他人や差異への憎しみのようなものに、同時に実用主義者の小さな宇宙即ち部屋と壁に仕切られた毎日の生活、のポストモダニストの集団として含めることができる。 ルサンチマンのコンセプトは、特に、哲学の肯定的で、反弁証的な復活の光学のジル・ドゥルーズの『ニーチェと哲学』(1962)により述べられている。 post-hégéliennesの学説のヘゲモニーの後、ドゥルーズは超越した弁証法のアイデアと批評家の活動両方の中心にある哲学を提案した、よく réactif(批評及び否定性と比較される弁証的なもの) の信用の物価安定政策を除いて。
[編集] ルネ・ジラール
その概念は1960年代中頃かルネ・ジラールによって越える事のできない関心によって純粋で単純な只の嫉妬心と区別された。 ジラールは自律の感情に有能な何人かの個人だけが存在する事ができるという非現実的な考えを批判し、模倣が平凡な状態であり人間に一般的であると考えた。 我々は、見たところニーチェの感覚(ニーチェが反意語を一度も言わなかった気付かせる事の出来るもの、そしてジラールは過剰な二ーチェ理論と単純化した)を越えた存在をも含めて、ニーチェによって示された感覚への全ての試薬である。 ロミオとジュリエットや主演のアイドルになる様な人はただ優れているだけでなく、逆に他者が彼等に与える感情に依存する超越性で、そのリスクは、その時彼等は自殺と人工的な世界と共にさえ生きる事である。 ニーチェ自身はジラールに部分的にルサンチマンに登場し(リヒャルト・ワーグナーへの敬意と共に、別の面では、しかし敬服されていた)、 奴隷の軽蔑と彼自身の状況の間の緊張はニーチェの狂気の説明的な指標となった(だが一方ニーチェは脳腫瘍になっていた…)。 ジラールもまたルサンチマンのイデオロギーを発展させ(共産主義、反ユダヤ主義、そして一般的な全ての何かへの反発主義) 、同様に聖書とキリスト教へ、感情の逆の運び手に見られるニーチェによる「十字架」にかけた。
[編集] マルク・アンジュノ
イデオロギーのレベルで、ルサンチマンのコンセプトはアナリストでスピーチの歴史家のマルク・アンジュノ(Marc Angenot)によって再びとりあげられた(Les idéologies du ressentiment, 1996)。 それは20世紀の自己同一性とナショナリストの潜在的なイデオロギーの動因となった。 アンジュノの前任者と同じ様にルサンチマンを不服の蓄積に特徴付けられる態度であると考え、その増殖(今日特に自己同一性の要求と部族主義の、ポストモダニズムで悪名高い)が様々な形の差別と社会的闘争をあたえてきた主意主義によるものと考えた。 もし安定性と歓喜が我々の目下から消えても(ドイツの哲学者ヴァルター・ベンヤミンはdéclin de l'auraと名付けた)、ルサンチマンの反応効果を護るために、アンジュノによれば、反応能力と当然の集合的な望みは一番の手段を残す。
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