リアル (漫画)
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リアルは、週刊ヤングジャンプで1999年48号から不定期連載している『車いすバスケットボール』を題材にした漫画作品。作者は『SLAM DUNK』、『バガボンド』等で知られる井上雄彦。単行本はヤングジャンプコミックスから第6巻まで刊行。
目次 |
[編集] ストーリー
自身の引き起こしたバイク事故により高校を中退、他人に一生残る傷を残してしまった罪に苛まされる野宮朋美。
車イスバスケットボールの有力選手でありながら、我が強くチームメイトと上手くいかずにチームを抜けた戸川清春。
自意識が強く、交通事故で下半身不随になったことを受け入れる事のできない高橋久信。
それぞれが向き合うREAL(現実)――。
[編集] 登場人物
[編集] 主要人物
- 野宮朋美(のみや ともみ)
- 18歳、男。強面の風貌、反面思った事は逡巡せず口にする明るさを持つ。高校(西高校)でバスケットボールに打ち込んでいたが、バスケ部内で高橋久信を中心に周囲から嫌がらせを受けた事から暴力をふるい、退部に。その後素行が荒れ、偶然ナンパした山下夏美を乗せたバイクで事故を起こす。それを遠因に高校も退学。自分が原因で夏美の人生を狂わせたという罪の意識に苛まれているが、戸川清春と出会った事で自分を変えようと行動し始める。現在は引越し業者で働きながら、戸川のチームを応援している。
- 戸川清春(とがわ きよはる)
- 車イスバスケットボールに打ち込む男。19歳。勝気、且つ繊細。10代初期に母を亡くし、以後父子家庭で育つ。中学生時代は陸上部に所属し、全国大会決勝まで進んだ選手だったが、決勝レース中に骨肉腫の症状が悪化。その後ローテーション手術の為右足を切断、車イスで生活している。車イスバスケチーム「タイガース」に所属しており、高い実力を有するも向上心あるがゆえに我が強く、チームメイトと折り合いが付かずに一時チームを離れていた。野宮朋美と出会った事で、自分を変えようと行動し始める。この後、車イスバスケの日本代表に選ばれる。野宮曰く「車イス界のビンス・カーター」。キャップとパーカーがトレードマーク。
- 高橋久信(たかはし ひさのぶ)
- 野宮朋美の高校の同級生。野宮に嫌がらせを行いバスケ部から追い出した。自らをAランクとした上、周囲の人間をランク付けして俯瞰するなど、プライドが高く傲慢な面を持つ。努力を要しないで何事もこなせる器用さがあり、成績、運動能力、容貌とも優れていたため周囲から一目置かれる存在だったが、自転車を盗んだ末の交通事故に遭い脊椎を損傷、下半身不随になる。長く母子家庭であったが、現在はカウンセラーの薦めによりリハビリセンターを一時的に離れ、8年前に別れた父親と埼玉県で共同生活をしている。
[編集] 野宮朋美の関係者
- 山下夏美(やました なつみ)
- 17歳、女。野宮にナンパされ、後ろに乗ったバイクで事故に遭い下半身不随になった。長野のリハビリセンターでリハビリを行っている。
- 柾(まさき)
- 西高バスケ部員。野宮と仲の良かった後輩。無骨だが、野宮同様バスケットボールに打ち込んでいる。高橋たちによる嫌がらせを受けたことでバスケ部員に暴力を振るい、謹慎処分を受けてしまった。
[編集] 戸川清春の関係者
- 安積久美(あづみ くみ)
- 19歳、女。清春の幼馴染。車イスバスケチーム「タイガース」のマネージャー。清春をサポートし続けている。泣きボクロがある。
- 長野満(ながの みつる)
- 車イスバスケの実力者。オーストラリアのNSW大学に留学していた。清春を高く買っている。「MATE(マイト)」が口癖。日本代表候補の一人
- 勝田虎(かつた とら)
- 車イスバスケチーム「タイガース」の設立者兼初代キャプテンで、全日本代表に選ばれる程の実力者。清春を車イスバスケの世界へ引き込んだ男。清春同様にローテーション手術により右足を切断している。本業はタトゥーのカリスマ彫り師で、清春を車イスバスケの世界へ引き込んだ後、彫り師としてアメリカへ渡る。
- 山内仁史(やまうち ひとし)
- 19歳、男。五歳の頃から徐々に身体が動かなくなるという、現代医学では治療できない難病に罹っている。右足を失い、悩み気を落としていた清春を励まし、車イスバスケを紹介した清春のヒーロー。勝田虎の抜けた後のタイガースを、中心的存在として支えていた。満足に動けない身体を持つが故に、やや欲求不満がある。
[編集] 高橋久信の関係者
- 本城ふみか(ほんじょう ふみか)
- 高橋の彼女。所謂ギャルであまり頭のいいほうとはいえないが、情が深く、けっこう健気な娘。高橋が事故に遭った自転車に同乗していた。
- 高橋久行(たかはし ひさゆき)
- 久信の実父。8年前に妻の千鶴子と離婚し、埼玉県秩父で暮らしている。幼かった久信にバスケットボールを教えた。家族と同居当時はエリートサラリーマンだったが、現在は陶芸家として生計をたてている。久信も感心するほど手先が器用。主にジャージを着ている。
- 高橋千鶴子(たかはし ちづこ)
- 久信の母。8年前に夫と離婚してからは、一人で久信を育ててきた。出来の良い息子を誇りに思っている。久信の高校への復学を強く望んだ為に、それを嫌がる息子に暴言を吐かれる。そのショックで酒に溺れるようになり、看病の過労と肝臓の悪化で倒れてしまう。
- 関(せき)
- 西高バスケ部員。赤い長髪をしていたが、高橋と組んで競った野宮、戸川との2on2に負けた腹いせに、高橋に坊主頭にさせられた。野宮とは仲の良かった先輩であり、高橋の言うところの数少ない「野宮派」であった。
[編集] 東京タイガース
各プレイヤーの「点数」については車いすバスケットボールの項を参照。
- 米澤一良(よねざわ かずよし)背番号9→4
- 1点プレイヤー。あまり体力が無い。メンバーからは「ヨネ」もしくは「ヨネさん」と呼ばれている。
- 金子謙一(かねこ けんいち)背番号11→5
- 3.5点プレイヤー。メンバーの投票によってタイガースのキャプテンになった。戸川とよくケンカしている。彼女がいて、4月28日(実は選手権の日)に結婚式を挙げる。センター。26歳。
- 長野 満(ナガノ ミツル)背番号7
- 3点プレイヤー。初めて清春に敗北感を味あわせた、圧倒的な実力の持ち主。タイガースに入ってからは、自らがチームの背骨となり、戸川を暴れさせている。ゲーム中は常に冷静。エゴイストであり、強豪オーストラリアチームでレギュラーを勝ち取った。プロレスラーのような上半身をしている。実際プロレス好きである。190cm 110kg。
- 垣内 大二朗(かきうち だいじろう)背番号7→8
- 2点プレイヤー。顔がごつい。
- 目黒知憲(めぐろ とものり)背番号9
- 2点プレイヤー。点数上の関係から主にベンチ。20歳。
- 戸川清春(とがわ きよはる)背番号6
- 4.5点プレイヤー。一時チームを離れるが、復帰。しかし他のメンバーが自分について来れないことと、声がなかなかでないチームメンバーに苛立っているが、強豪ドリームスとの練習試合でメンバーの数人がやる気をだし自分の朝練に参加するようになり、チームが変わったと実感している。ガード。19歳。
- 田村(たむら)元背番号4
- 1点プレイヤー。タイガースのキャプテンだったが、年下のくせに生意気な戸川が気に入らず、他のメンバーを引き連れてチームを抜ける。車イスバスケに対するスタンスが戸川らとは違い、熱意を傾けすぎるのを好んでいない。「所詮障害者スポーツ」という斜に構えた自覚がある。その言動にカっとなった戸川に殴られ、これが原因で戸川は一時チームを離れていた。今はタイガースを離れ、赤坂アプロウズというバスケットチームをつくる。
[編集] ドリームス
強豪チーム。タイガースは2度挑んでいるが、2度とも大差で負けている。
- 藤倉(ふじくら)背番号7
- センター。ヒゲを生やしている。戸川が仮想長野満としている選手。日本代表候補の一人。
- 永井(ながい)背番号5
- ガード。1点プレイヤー。坊主頭。日本代表候補の一人。
[編集] 用語
- ローテーション
- 何らかの原因で膝関節を切除した場合、足首から先を180度反転させて膝関節の代替として移植する手術法。
- キャプテン投票
- 東京タイガースは、元キャプテン田村たちが抜けた後キャプテンが決まっていなかった為、幕張マリーンズとの練習試合の前、メンバーで投票を行った。内訳は金子が3票、長野が2票、戸川が1票という結果だった。金子には戸川と長野、そして金子自身が1票ずつ、長野には垣内と目黒が1票ずつ、戸川には米澤が1票という結果だった。
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
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