ラッキーゾーン
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ラッキーゾーンは、野球場でホームランを出やすくするために外野に施した金網の柵のこと。ラッキーゾーンのある球場においては、その敷地内に投球ブルペンが設置されることが多い。
[編集] ラッキーゾーンがある球場と内容
日本におけるラッキーゾーンの第1号は阪神甲子園球場。1924年に阪神電鉄甲子園大運動場としてオープンした当初は、陸上競技場としても利用されることを念頭に建設されたため両翼まで約110 m、左・右中間も128 mありホームランが出にくい球場といわれた。その後段階を追って球場の両翼を狭めるも本塁打率が悪かった事を危惧した管理者の阪神電鉄が、1947年の4月に外野の両翼から左・右中間付近にいたる付近に金網を設けてホームランを出やすくしようと試みた。この甲子園のラッキーゾーンは1991年まで存続した。
それ以後、鳴海球場、西宮球場、明治神宮野球場、西京極球場、倉吉市営野球場にそれぞれ設置された。夏季オリンピック実施競技に野球が加えられた1980年代以後、各地に国際競技規格に適合ないしはそれに準ずる球場が新規建設されたり、改修でも外野の拡張が実施されるようになったため、ラッキーゾーンそのものの存在もなくなりつつあり、現在はラッキーゾーンにナイター設備があるため撤去が困難とされる倉吉を除く各球場でラッキーゾーンが外されている(鳴海は1958年で球場そのものが閉鎖、神宮は1967年にラッキーゾーン設置部分にそのままフェンスを移動している)。
ラッキーゾーンの定義は非常に難しい。大阪府の藤井寺球場でも、観客席とグラウンドの間に二重にラバーフェンスが張られており、その中にブルペンが設置されていた。本塁打の量産を意図したもので、両翼は約98 mから92 mへと縮小し、2004年に閉鎖されるまで存続した。藤井寺球場のブルペンをラッキーゾーンに含めるか否かは議論の余地があろう。