ラザロ徴候
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ラザロ徴候(らざろちょうこう lazarus sign)は脳死判定後に人工呼吸器をはずした際に脳死患者が自発的に手や足を動かす動作のことである。1984年にA・H・ロッパー氏によって脳神経科学誌のNeurologyに報告され、ラザロ徴候と名づけられた。名前は新約聖書でイエスによってよみがえったユダヤ人のラザロに由来する。
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[編集] 原因
ロッパー博士はこれを低酸素による脊髄反射(脊椎自動反射)と説明している。しかし、この説明に対して動作の時間が他の脊椎反射に比べて長いことなどこれを否定する意見もあり、確信的な結論には至っていない。延髄が関与しているという見解も存在する。
[編集] 動作
- 胴体や腕、足等に鳥肌が見られる。
- 腕が持ち上がり硬直する。
- 背中がそる。
等が報告されている。また、主観的表現を含むもには「苦しんでいるように見える」、「祈っているように」という報告もある。
[編集] 議論
- ロッパー博士は脳死患者の人工呼吸器が最終的にはずされる段階になったら、家族等の近親者には病室から退室してもらえるようにするのが望ましいとコメントしており、脳死患者の近親者へのインフォームド・コンセントを以下に果たすか。
- ラザロ徴候時の血圧上昇、頻脈が報告されており、反射だけでは説明できない症例もある。
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