ヤマハ・FZ400
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
FZ400とは、1997年にヤマハ発動機が発売した、排気量400ccのオートバイ。車体種別はネイキッド。
目次 |
[編集] 概要
1997年、ヤマハ発動機が新しいミッドクラススポーツとして発売。400ccの中ではトップクラスのサイズである。同社から発売されていたFZ750やFZ400Rとは名前が似ているが全くの別車である。型式番号4YR。
カラーリングはシルバー・レッド・ブラック、翌年デイトナカラーが加わり4種類となる。最大の特徴は、ネイキッドバイクでありながらハーフカウルが標準装備されていること。多くの400cc超のネイキッドにもカウルが装備されているが、それらの多くはビキニカウルであり、ハーフとはいえカウルを装備し、しかも2灯ヘッドライトを有するFZはレーサーレプリカとしての印象が強い。しかし、そのデザインが一般受けせずわずか2年でカタログ落ちとなる。
FZが2年でカタログ落ちとなってしまったのには一般受けしないデザインの他に免許制度の改正も関係している。1996年の免許制度改正により、それまでの限定解除審査が大型自動二輪車となり、自動車教習所での取得が可能となった。以前より簡単に大型に乗れるようになった為車検もあり、非力な400はもはや注目されなくなってしまった。そしてFZはデザイン・タイミング等複数の要因でカタログ落ちの運命を辿ることとなる。
FZは峠・ツーリング・街乗りと高い水準での万能な能力を持つ。しかし、それは中途半端であると思われることも多く不人気の要因の一つでもあった。しかしここ最近は再び人気上昇の兆しが見える。なお、リコールが発表されており、購入する際は確認した方がよい。
[編集] 特徴
[編集] 長所
- 大柄な車体の為、安定した走行が可能でありツーリングや長距離移動が非常に楽。
- YAMAHA最大の特徴であるハンドリングの良さが顕著に表れている。ネイキッドの中では特にコーナリングに強い。
- シート下にかなり大きな収納スペースがある。
- カウルが付いているので高速が楽な上に吹け上がりが良いので峠も楽に越えられる。街乗・高速・峠などにオールマイティーな性能を示す。
- ネイキッドなのでメンテナンスが楽。タンクなどを外さずプラグ交換が可能。
- 賛否両論だが無駄の無いシャープなデザインが多くのユーザーに支持されている。
[編集] 短所
- ウインカーやサイドミラーがハーフカウルについているため立ちゴケ程度でもカウル周りが粉砕する場合がある。
- アイドリングが非常にバラつきやすい。パイロットスクリューの先端にススが付きやすいのが原因。対策品として真鍮製のPSがヤマハよりでているが、少し改善される程度で根本的な解決には至らないよう。
- ネイキッドの中では燃費は悪い方に属する。
- (YAMAHA全般ともいえるが)サスペンションのセッティングが柔らかく、高速走行時のハンドリングがやや安定しない。