メラニン
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メラニン (melanin) は、人体において形成される色素である。メラニン色素ともいう。
皮膚においては表皮最下層の基底層において、毛髪では毛母において生成される。生成するのはメラニン形成細胞であるメラノサイトである(メラニンを生成する事から、単に色素細胞と呼ばれることもある)。
メラノサイトはメラニンを生成する工場的な機能があるのみで、メラニンを貯蔵する細胞ではない。メラニンは蛋白質と固く結合しており、微細な顆粒状をしているが、その生成過程は複雑である。
メラニンのルーツは、アミノ酸の一つであるチロシンである。このチロシンにチロシナーゼという酸化酵素が働き、ドーパという化合物に変わる。更にチロシナーゼはドーパにも働きかけ、ドーパキノンという化合物に変化させる。ドーパキノンは科学的反応性が高いので、酵素の力を借りる事なく次々と反応していく。ドーパクロム、インドールキノンへと変化し、最終的には酸化、重合し、黒褐色のメラニンとなるが、構造は大変複雑であり、表記は難しい。メラニンは水や全ての有機溶媒に不溶で、きわめて安定である。
なお、遺伝的にチロシナーゼの働きが不完全でメラニンが合成されない個体をアルビノといい、こうした個体は皮膚がんになりやすい。メラニン色素がないと紫外線を吸収できないので、太陽光線による細胞のダメージを防ぐ事ができない為である。