ボラジン
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ボラジン(Borazine)は、ホウ素と窒素、水素よりなるヘテロ環系化合物。示性式は(BH-NH)3、組成式はB3N3H6。IUPAC命名法ではシクロトリボラザン(cyclotriborazane)となる。CAS登録番号は6569-51-3。
1926年、ドイツのアルフレート・シュトックらによりジボランとアンモニアとの反応により初めて合成された。
融点-58℃、沸点55℃の無色透明の液体で、乾燥した大気下では安定。水と反応して水素、アンモニア、ホウ酸を生じる。また、光により緩やかに重合し、水素を生じる。また熱、アルコールおよび酸によっても分解される。引火点が-1.7℃のため、引火しやすく危険。
ベンゼン同様、窒素とホウ素が3つずつ平面上に亀の甲(六角形)状に交互に配置した構造をとっている。ホウ素の電子不足性と窒素の電子過剰性が補いあうのでベンゼンと等電子構造体であり、構造上安定。炭素を含まないため、「無機ベンゼン」とも言われる。環上に異なる原子が存在していることからイオン性の性質であり、低誘電率を示す。