ホウ徳
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龐悳（ほうとく、 Pang De 170年－219年）は、魏の武将。字は令明。龐会の父、龐柔の従弟。龐徳とも。常に白馬に騎乗していたことから白馬将軍とも呼ばれていた。
南安郡狟道県の人。若くして初めは馬騰に仕え、羌族や氐族を撃退する功績を挙げる。平陽では袁尚の配下の郭援を討ち取った。この功績により、都亭侯に封ぜられ、中郎将に昇進する。
張白騎が、弘農で反乱を起こすと、馬騰に従って、張白騎を討伐した。馬騰が殺されると、次いで息子の馬超に仕えた。馬超が曹操と戦って敗ると、冀城を死守した。龐悳は215年、曹操が漢中郡を平定した時、張魯と共に曹操に降伏し、その家臣となった。馬超は後に張魯と袂を分かれて劉備に仕えることとなるが、この時に龐悳は同行していない。龐悳は曹操に信頼され、関門亭侯に封じられ、立義将軍昇進、所領数を三百戸とした。
宛城で侯音や衛開らが、反乱を起こすと、曹仁と組んで鎮圧し、侯音と衛開を処刑した。後に樊城を攻め、関羽を弓で負傷させた。今度は船で関羽と対戦し、配下の董超と董衡が敵軍に降ろうしたため、これも処刑した。
219年、蜀の関羽が襄陽に攻め込んで来た時に、曹操は于禁と龐悳を将として援軍を送ろうとした。従兄の龐柔（演義では兄）と旧君の馬超が蜀にいたことから、曹操の部下の中には、龐悳が裏切るかも知れないと言う者がいた。これに憤慨した龐悳は戦に赴く前に自らの棺と「必殺関羽」と書かれた旗を用意し、自らの命に代えてでも関羽を討つと曹操に報告し、曹操もそれを聞いて絶賛した。新参ということで将軍が于禁、副将が龐悳となったが、両者は折り合いが悪かった。初め、龐悳は戦局を優位に進めていたが、于禁は功を焦ったのか撤退命令を出した。魏の援軍は、この虚を突かれ水攻めを喰らって大敗し、于禁・龐悳ともに生け捕られる。このとき、于禁は曹操軍古参の武将でありながら、関羽に命乞いして助命されたが、龐悳は、曹操軍新参の武将でありながら、曹操への忠義を貫いて潔く刑死した。
