ベン・バーナンキ
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ベン・バーナンキ(Ben Shalom Bernanke, 1953年12月13日 - )は、米国の経済学者。第14代連邦準備制度理事会(FRB)議長である。
[編集] 概要
1953年、ジョージア州で生まれる。ハーバード大学経済学部を首席で卒業後、マサチューセッツ工科大学にて博士号を取得。1985年プリンストン大学の教授に就任、のち経済学部長となる。デフレ史の研究に優れ、友人であり同僚でもあったポール・クルーグマンとともに、インフレターゲットの研究者として名を高める。この間、多くの人材を育てた。
2002年にブッシュ政権下でFRBの理事に指名され、2005年には大統領経済諮問委員会(CEA)の委員長となる。2006年2月1日に満を持してFRB議長に就任。戦後生まれでは初のFRB議長である。前職のアラン・グリーンスパンの路線を踏襲すると見られているが、グリーンスパンと違いインフレターゲティング政策の支持者である。
[編集] バーナンキの背理法
バーナンキの背理法は、2001年ごろから主として日本のインターネット上で話題となった俗説である。バーナンキは、デフレ不況に陥った後も、ゼロ金利下でデフレ克服に向けて有効な手だてを施せない日本銀行の金融政策を批判し、自らの論文においてリフレ政策の有効性について、以下の例え話を記した。
「もし、日銀が国債をいくら購入したとしてもインフレにはならない」と仮定する。すると、市中の国債や政府発行の新規発行国債をすべて日銀がすべて買い漁ったとしてもインフレが起きないことになる。そうなれば、政府は物価・金利の上昇を全く気にすることなく無限に国債発行を続けることが可能となり、財政支出をすべて国債発行でまかなうことができるようになる。つまり、これは無税国家の誕生である。しかし、現実にはそのような無税国家の存在はありえない。ということは背理法により最初の仮定が間違っていたことになり、日銀が国債を購入し続ければいつかは必ずインフレを招来できるはずである。
ただし、バーナンキ自身は上記の例え話を特別な説とは考えておらず、「バーナンキの背理法」と名付け、流布させたのは日本のネット社会である。
[編集] 経歴
- FRB議長
- 第14代: 2006 -
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- 先代:
- アラン・グリーンスパン
- 次代:
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