フニクリ・フニクラ
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『フニクリ・フニクラ』(Funiculi Funicula!)はイタリアの民謡(カンツォーネ)。メロディは日本でも有名ではあるが、曲の成り立ちはあまり知られていない。
1880年にトーマス・クック社によって、ヴェスヴィオ火山山頂までの登山鉄道「フニコラーレ(ケーブルカー)」が敷設されたが、当初は利用者が少なかった。そこで、同社の依頼を受けたルイージ・デンツァが宣伝用に作曲したのがこの曲である。世界最古のコマーシャルソングとも言われる。
この曲を聴いたリヒャルト・シュトラウスは、これがイタリアに古くから伝わる民謡であると勘違いし、後に作曲した交響的幻想曲『イタリアから』(Aus Italien)に『フニクリ・フニクラ』のメロディーを取り込んでしまった。それを知ったデンツァはシュトラウスを訴えて勝訴し、以降、この曲が演奏されるごとにシュトラウスはデンツァに対して著作権料を支払っていた。
[編集] 歌詞
歌詞の内容は、男性が登山鉄道に乗りつつ意中の女性に告白するかどうか悩んでおり、なかなか決断できないでいる、というものである。しかし日本語版ではもともとの歌詞を完全に無視した、子供向けの歌詞が有名である。
日本語版歌詞には1961年に『みんなのうた』で紹介された、青木爽と清野協により翻訳されたものがあるが、日本ではなぜか「おにのパンツ」という替え歌の歌詞で歌われるものの方が有名である。この歌詞は『おかあさんといっしょ』で「作詞者不明」として紹介されたが、現在では田中星児の作詞であるという説が有力である(JASRACには作詞者不詳として登録されている)。このバリエーションとして「うさぎのショーツ」「とらのパンツ」などが歌詞に出てくるものもある。
[編集] 日本におけるフニクリ・フニクラ
- 以下は、替え歌として使われている。