ピカティニー・レール
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ピカティニー・レールとは、小火器用の規格化・システム化されたオプション取り付け台である。光学スコープ、特殊スコープ、タクティカルライトなど、増え続ける小火器の付属品とバリエーションに柔軟に対応するため、オプション取り付けのためのレールシステムとなっている。アメリカ陸軍ピカティニー兵器製造所が標準化を提案した。MIL規格番号はMIL-STD-1913である。
[編集] 概要
このレールは通常、火器の機関部の真上に直接設置され、標準的には通常の後部照準(リアサイト)が取り付けられる。広いTの字型に横溝切りで成形され、スコープ類は普通、このレールの上の前後どちらかの端に固定される。
要求として、レールは常に安定した固定台であることを要求される。たとえ銃身が熱くなっても冷たくなっても、レールが歪むことがあってはならない。この理由から、ピカティニー・レールは横溝切りになっており、熱に左右されるとしても縦方向に拡大収縮する遊びが与えられている。
当初はスコープのみの使用であり、レールは大口径の重火器に取り付けられた。暗視スコープの使用が増えてくると、より小さなアサルトライフルへの取り付けが始まり、現在では既存の固定式照準に変わり、標準出荷状態の非光学式照準もレールに取り付けるようになってきている。
このレールシステムが一般的になってくると、フラッシュライトなど、他のアクセサリの取り付けにも応用が始まった。この簡便さは連鎖的に応用を呼び、色々な後付け部品がピカティニー・レール対応で設計されている。例としては、バイポッド(二脚)、銃剣、レーザーサイトなどである。
このシステムからの派生品として、「スモール・レール」が提供されつつある。銃の色々な場所に取り付けることができる小さなレールで、いくつかのケースでは、銃の両側面に取り付けられる。スモール・レールは、散弾銃や拳銃に応用が始まっている。
[編集] 関連項目
- w:Weaver rail mount (英語版wikipedia、ウェーバー・レール・マウント)
- w:XM8 rifle (英語版wikipedia、XM8試作アサルトライフル)