ビーナス・エクスプレス
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ビーナス・エクスプレス(Venus Express)は欧州宇宙機関 (ESA) の金星探査機。2005年11月9日に打ち上げられ、2006年4月11日に金星周回軌道に到着した後、5月7日に観測用軌道に無事載った。 6月からの500日に及ぶ観測を開始すべく準備に入っている。
[編集] 概要
ビーナス・エクスプレスは、欧州宇宙機関初の金星探査機であり、2005年11月9日にカザフスタンのバイコヌール宇宙基地より打ち上げられた。計画は2001年より開始されている。探査機のデザインは、火星探査機のマーズ・エクスプレスの経験を生かしたものとなっている。ただし、火星と金星の違いを考慮し、太陽熱や放射線に対する耐性を向上させている。
最初の発射予定は、2005年10月26日であったが、問題が生じたために延期された。2005年11月9日3時33分UTCに、ソユーズロケットによって打ち上げられている。打ち上げから1時間36分後には、金星への遷移軌道へ移行している。金星までの航行時間は150日。金星到着後に減速し、周回軌道に入っており、現在、スペイン・セブレロスの通信局との間で観測用通信回線の確認に入っている。
ビーナス・エクスプレスの探査目的は、主に金星大気に関するものであり、約500日(2金星年)かけて、その温度分布などを明らかにする予定である。