バイコヌール宇宙基地
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バイコヌール宇宙基地(バイコヌールうちゅうきち、Baikonur Cosmodrome)は、カザフスタン共和国のチュラタム(Tyuratam)にあるロケットの発射場である。
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[編集] 概要
1955年に旧ソ連がチュラタムにあるシルダリア河畔に建設した。建設当初はICBM(大陸間弾道ミサイル)の発射場として使われていたが(1956年に初試射)、後に宇宙関連施設を含めて基地は拡張されロケットの発射場として使われ始めた。基地の周りには、職員の住居、学校などが造られた。1966年に市に昇格し、レニンスクと命名され、1995年に市名をバイコヌールに改称した。チュラタムにあるのにバイコヌールと名前が付けられているのは、正確な場所を隠すためであり、実際にはチュラタムからバイコヌールまでは約500Kmの距離がある。バイコヌール射場、チュラタム射場(Tyuratam Launch Center)とも呼ばれる。また、旧ソ連時代からロシアの全ての有人宇宙船の打ち上げに使われている。宇宙基地の年平均気温は13度(冬は氷点下40度、夏は45度と季節ごとに気温の差が激しい)。基地内にガガーリン博物館がある。基地の面積は広大で、福岡県とほぼ同じ面積である。
[編集] 基地概要
- 所在地 : カザフスタン共和国チュラタム(北緯45度36分、東経63度24分)
- 発射点 : 9ヶ所
- 発射台 : 14基
- 打ち上げ方向 : 東方
- 基地総面積 : 約5000平方キロメートル
[編集] 歴史
- 1955年6月2日 チュラタムにあるシルダリア河畔に建設された。
- 1957年10月4日 スプートニク1号がR.7型ロケットによりバイコヌール宇宙基地から打ち上げられる。人類初の人工衛星打ち上げに成功。
- 1961年4月12日 同日9時7分に、ボストーク1号がユーリ・ガガーリン少佐を乗せて打ち上げられた。人類初の有人宇宙飛行に成功。
- 1965年3月18日 ボスホートがアレクセイ・レオーノフ飛行士を乗せて打ち上げられた。このあと、人類初の宇宙遊泳に成功。
- 1991年12月 ロシアとカザフスタンの間でミンスク宣言がなされた。
- 1994年3月 ロシアがカザフスタンに年間1億1500万ドルの使用料を20年間支払うことで合意がなされた。これにより、宇宙基地内においてロシアの司法権及び統括権が認められた。
- 2005年7月 ロシアが借りているバイコヌール宇宙基地の使用期限が2050年に延長された。年間の使用料は1億1500万ドルで今までと変わらない。