ヒエロニムス・ボス

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ヒエロニムス・ボス（Hieronymus Bosch/本名:Jeroen van Aken、1450年頃- 1516年 8月9日）は、ルネサンス期のネーデルラント（フランドル）の画家。「ヒエロニムス」は本名であるイェーレン（Jeroen）のラテン語読み、「ボス」は街の名前から。「ヒエロニムス・ボッシュ」と表記されることもある。

『放蕩息子』

『快楽の園　地獄』

ヒエロニムス・ボスと推察されている肖像(1560年ごろ)

[編集] 生涯

史料が乏しく、伝記には不明な点が多いものの、現在のオランダのベルギー国境近くにあるス・ヘルトーヘンボスの画家一家に生まれ、そこで生涯を過ごしている。富裕な家の娘との結婚により街の友愛団体である兄弟会に所属し、名士としても活動していたようである。

[編集] 作品

30点ほどの作品が残されているが、シュルレアリスムを思わせるような、その作品の主題も謎に満ちている。スペイン王のフェリペ2世はボスの絵の愛好者で、ボスの故郷から遠く離れたマドリードに傑作の多くがあるのもそのためである。

現存する作品には、普通の板絵のほか、三連祭壇画（3枚のパネルからなる祭壇画）の形式をもつものがいくつかある。この形式は当時のフランドル絵画では頻繁に行われた。有名な「快楽の園」も三連祭壇画である。この作品は、向かって左のパネルに「地上の楽園」、右のパネルに「地獄」を描き、中央の一番大きなパネルには無数の裸の男女がさまざまな快楽に耽っているさまが描かれている。胴体が卵の殻になっている男、人間を丸呑みにしては、すぐ排泄してしまう怪鳥、その他何とも名づけようのない奇怪なイメージで満たされたこの絵の主題についてはさまざまな解釈がある。中央パネルが好色の罪を表し、その罪を犯した者が右パネルの地獄図で罰せられているとするのが、もっとも流布した説であるが、異説もある。