バイオハザード3 LAST ESCAPE
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バイオハザード3 LAST ESCAPEは1999年にカプコンよりプレイステーション用として発売されたホラーアクションアドベンチャーゲーム。バイオハザードシリーズの第3作である。
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[編集] 移植版
- 『バイオハザード3 LAST ESCAPE』(プレイステーション)1999年9月22日発売
- 『バイオハザード3 LAST ESCAPE』(ドリームキャスト)2000年11月16日発売
- 『バイオハザード3 LAST ESCAPE』(ニンテンドーゲームキューブ)2003年1月23日発売
- 『Greatシリーズ バイオハザード3 LAST ESCAPE』(Windows)
[編集] 概説
アークレイ山地の洋館から生還した者たちは、人々にその惨状を伝えようとしたが、理解を得られることはなかった。生還者たちは、その根源を絶つためにヨーロッパへ向かった。洋館のバイオハザード事件から1ヶ月半あまりを迎えていたラクーンシティ周辺では、謎の奇病や猟奇事件が頻発していた。ラクーンシティに残っていたジルは、その惨状を目の当たりにする。
前作「バイオハザード2」とほぼ同一時間帯の出来事(「バイオハザード2」は9/29~9/30、「バイオハザード3」は9/28~10/1)。ちなみに同様の設定が「バイオハザードII アポカリプス」にシンクロされている(ただしパラレル)。
プレイヤーはジルを操作して、謎の追跡者から逃れつつ、謎を解きながらラクーンシティからの脱出を目的とする。
[編集] システムの概要・特徴など
追跡者の登場
- 非常にタフで追跡者という名のとおり、執拗に(別の部屋に逃げ込んでも追跡してくる)且つすばやく追跡してくる。倒すとアイテムをもらえることもある。元は2の裏シナリオであったものである。
ライブセレクションの導入
- ゲーム中選択肢が画面に表示され、プレイヤーはどちらかを選択することになる。制限時間があり、どちらも選択しないと時間切れとなり最悪な状況に陥る。選択肢というシステムは1の時点であったのだが、本作では目前の危機にどう対処するかを問うものである。追跡者と遭遇した時に出ることが多く、選択によっては追跡者との戦闘を回避できることもあれば、一時しのぎで終わることもある。
弾薬生成システム
- 本作ではガンパウダーとリロードツールを組み合わせて、弾薬を生成するようになっている。もちろん従来の作品どおり、所々で弾薬を手に入れることは出来るが、マグナム弾等の強力な弾薬の数は少ない。
謎解き、敵の配置及びアイテムの配置がランダム
- 謎解きの答えがランダムになった。ただし解法は同じである。敵の配置については、ある地点でゾンビが出ることもあれば、ゾンビ犬が出ることもある。それによって難易度も多少左右される。
クイックターン及び緊急回避の導入
- クイックターンはその名の通り、後ろへすばやく振り向くアクションである。本作以降の作品には導入されている。緊急回避は敵の攻撃時にタイミングよくR1ボタンを押すと回避行動を取るというものである。しかし、敵が多い場合に緊急回避を使うとなかなか次の行動を取れないなど、意外と使いにくい点があった。それらを受けているのか、あるいはゲームバランスを崩すという批判があったのか、本作以降緊急回避は登場していない。
攻撃オブジェクトの設置
- フロアによっては、ドラム缶といった揮発性の液体が入っていると思われるオブジェクトが設置されていることがある。それらを銃撃することで起爆することが出来る。これにより、周囲の敵を巻き込んで一網打尽にすることが可能である。
[編集] 登場人物
ジル・バレンタイン(Jill Valentine)
- 「洋館事件」以後、S.T.A.R.S.のメンバーはアンブレラの実態を調査すべく活動を続けていた。彼女はラクーンシティに残り調査を続けていたが、街の惨劇に巻き込まれて脱出を決意する。本作では私服での登場となっている。
カルロス・オリヴェイラ(Carlos Oliveira)
- U.B.C.S.・D小隊A分隊所属の傭兵。幼少期からゲリラとして活動していた。そのため傭兵の中でもかなり若手の部類に入るが、長い間戦い、生き延びていたことが彼が優秀な兵士だと言うことを教えている。ジルと出会い、ラクーンシティからの脱出に協力し合うこととなる。ブラジルのインディオの出身であるらしく、悲惨な状況下にあっても快活な性格の持ち主である。
ミハイル・ヴィクトール(Mikhail Victor)
- U.B.C.S.・D小隊隊長。旧ソ連軍大尉で、連邦崩壊後はゲリラとして活動。テロリストとして活動しており、既婚者で、妻の所属する少数民族の独立のためにテロリストになったという。捕まった仲間を釈放するためにアンブレラに雇われた。三十人近い部隊を統率している優秀な指揮官だが、ゲーム登場時には重症を負っており、多くの部下を犠牲にしてしまったことを悔いる場面がある。
ニコライ・ジノビエフ(Nicholai Ginovaef)
- U.B.C.S.・D小隊B分隊所属。旧ソ連のスペツナズ出身であり、冷戦時代に磨いた暗殺術とトラップ術が最凶の名を授けた。そのため軍人としての能力は非常に高いが、状況によっては仲間であっても容赦なく殺害する冷酷な性格でもある為部隊内の評判は芳しくない。実際は監視者(スーパーバイザー)という事件の中で起こった出来事の記録(生物兵器の有効性の確認や、突発的にどのようなB.O.Wが発生したかの調査)、及びアンブレラの不利になる証拠の隠滅が目的(彼らのみ他よりも強い抗体を投与されている他、いくつかの脱出経路も確保されているという好待遇だった)。「その任務遂行能力の高さから、『2』に登場したハンクとはライバルのような関係であった(周囲の人物がそう見ていただけで、本人達は特に意識もしていない)」という裏設定が存在する。ストーリーの進行によっては、敵役として通常の人間の状態で生き延びる唯一の人物でもある。映画版第2作にも同名の人物が登場するが、人物設定は大きく異なり登場し名前を名乗った直後に殺害される当たり役となっている。また、バイオハザード アウトブレイクにもよく似た人物が登場するが、名前が出ないため定かではない。
タイレル・パトリック(Tyrell Patrick)
- U.B.C.S.隊員の一人。A分隊所属。スリナム共和国出身のオランダ移民。フランス外人部隊所属時に武器密売をしていた事から分かるように金銭への執着が強い。結局その武器横流しが大量虐殺という形で露見したことにより、彼自身も逮捕、無期懲役の判決が出されるが自らを傭兵コーディネータに売り込みU.B.C.Sに入隊したことにより放免の特例措置を勝ち得た。彼も監視者であるが、人数が減れば報酬も増えると言う理由でニコライに殺される。
マーフィー・シーカー(Murphy Seeker)
- U.B.C.S.隊員の一人。A分隊所属。兄弟を殺害したギャング20名を猟用ライフルで射殺した過去を持つ。海兵時代から神業的な狙撃技術を誇り、無期懲役で刑に服していたところを傭兵コーディネーターの目にとまり入隊した。カルロスとは友人関係にある。
ダリオ・ロッソ(Dario Rosso)
- ラクーンシティの市民。ゾンビに娘を殺害され、脱出に見切りをつけて一人コンテナの中に閉じこもる。
ルチア・ロッソ(Lucia Rosso)
- ダリオの娘。本編には登場しないが、本編クリア後のおまけゲームで登場する。ダリオの言葉からゾンビに殺害されたことが明らかになる。
バリー・バートン(Barry Burton)
- S.T.A.R.S.のメンバー。仲間であり、家族の亡命の手続きのためしばらくラクーンシティを離れていたが、「洋館事件」の時の恩人でもあるジルの救出のためにラクーンシティへ向かう。
ブラッド・ヴィッカース(Brad Vickers)
- S.T.A.R.S.のメンバー。臆病な性格であり、彼だけは仲間のようにアンブレラの調査に加わる事もせず、ラクーンシティに留まっていた。ゾンビとの戦いで負傷するなか、何者かに追われている素振りを見せるが……。
[編集] 登場クリーチャー
その他については、登場クリーチャーも参照のこと。
ザコ敵
- ゾンビ(Zombie)
- ゾンビ犬(Zombie Dog)
- カラス(Crow)
- 大クモ(Giant Spider)
- 小クモ(Baby Spider)
ドレインディモス(Drain Deimos)
- もとは動物などに寄生するごく小型の昆虫であったが、ウイルス汚染させてゾンビ化した動物から養分を吸収することで急激に成長、変体し、ついには人間ほどの大きさにまで異常発達を遂げてしまった。暗地や湿気のある土地を好み、鉤爪のついた手足でクモのように壁や天井に取り付いて獲物を待っている。二本足で立ち上がって威嚇しながら近づくこともある。
ブレインサッカー(Brain Sucker)
- Tウイルスによってゾンビ化した動物の腐肉を食らって変体、巨大化した昆虫。緑色の体と二つの頭部を持っている。警戒心が強く、いきなり襲ってくることはないが、興奮すると攻撃をしかけてくる。DDと同様、薄暗い場所を好んでいる。ドレインディモスは生物の体液を吸収するのに対し、ブレインサッカーはその名が示す通り生物の脳髄を好んでいる。
幼虫(Larva)
グレイブディガー(Grave Digger)
- Tウイルスによる環境汚染はラクーンシティの土中にまで浸透しており、その重度に汚染された危険な土は驚異的な突然変異体であるグレイブディガーを生み出した。コンクリートをもかみ砕く強力なあごと10m近くにも達する巨体で土中から獲物に襲い掛かる。
スライディングワーム(Sliding Worm)
- 下水道や土中に百個単位で産卵されたグレイブディガーの卵は2時間ほどでふ化し、スライディングワームとなる。体長は1mほど。ヒルのように動物に取り付き、獲物の皮膚に穴をうがって吸血する。脱皮を繰り返し、約1週間ほどでグレイブディガーと呼ばれる成虫になる。
ハンターβ(Hunter β)
- 前々作に登場したハンターとさほど変わらないが、首狩り(即死攻撃)の使用頻度は下がった可能性がある。
ハンターγ(Hunter γ)
- α型やβ型とは一線を画し、両生類がベースとなっており、開発チーム内では『フロッガー』と呼ばれる。非常に貪欲な肉食性で、その大きな口は人一人を丸呑みにすることもある。しかし、両生類ゆえに直射日光と乾燥を苦手とし、汎用性には乏しい側面を持っている。
追跡者(Nemesis)
- アンブレラ社が開発したB.O.Wタイラントの性能向上のために新開発した寄生型B・O・Wネメシスを寄生させた新型。基本性能はタイラントと変わらないが、ネメシスの寄生による知能の向上による武器の使用、治癒能力の付加がある。また、ネメシス自体にリミッターとしての機能がある。また、触手の硬度は人間の頭部を貫通することができる。本作に登場するネメシスはNEMESIS-T型である。
- ※追跡者は第3形態まである。この第三形態はコードネーム「パラケルススの魔剣」というレールキャノンを使わないと倒せない。
[編集] 外部リンク
バイオハザード シリーズ | |
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本編: | BH 1 - BH 2 - BH 3 - Veronica - BH 0 - BH 4 - BH 5 |
外伝: | GAIDEN - アウトブレイク - ガンサバイバー |
映画版: | 第1作 - 第2作 - 第3作(公開予定) |