ハルノクニ
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『ハルノクニ』は、2006年2月から11月にかけて週刊少年サンデーにて連載された漫画。原作:浜中明、作画:中道裕大。
目次 |
[編集] あらすじ
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
東京湾の真ん中にそびえ立つ全寮制の超進学校、東京都立紫海館学園の一年生・片桐聖士(通称・ギリ)の親友・三枝春(通称・ハル。以下、黒猫のハルとの区別のため「春」と表記する)はIQ200オーバーの天才児。ある日、春は自作のネコ型ロボットの動きをスムーズにするために校長の飼いネコ・クロを観察しようとするが、ある重大な事実に気づいてしまう。セキュリティシステムのプログラムを解除し学校から逃げた春は連れ戻しに来たギリに「学校に戻ってはいけない」と訴えるが、ギリの「殴られたら殴り返す」姿勢を見て、学校に戻り「やるべきこと」をする事を決心。その帰り道、春はギリに「落ち込んだときに聞いてみて」とCDを渡した直後に突如突っ込んできたトラックに跳ねられ死亡した。一年後、ギリは春の形見となったCDの内容を見て、春が事故ではなく殺された事を知る。そして、春の仇を討つために、ギリは学園を占拠し、新国家「ハルノクニ」の日本からの独立を宣言したのだった。
[編集] 登場人物
[編集] ハルノクニ
- 片桐聖士(かたぎり きよし)
- 通称・ギリ。現在、高校二年生。春とは幼稚園からの親友で、ハルが遺したCDを見てハルが殺された事を知り、ハルの命日に紫海館学園を領土とした新国家「ハルノクニ」の独立を宣言する。更に日本国内閣総理大臣との首脳会談の開催を要求した。志乃曰くバカだが、紫海館に入れるだけの知能はある。
- 三枝春(さえぐさ はる)
- 通称・ハル。本項目ではC.A.T.のハルと区別する為、春と表記する。IQ200オーバーの天才児だが、中身はローティーン。母親は酒が無いと心のバランスが取れず、春を虐待していたらしいが、春はいつか母が笑えるようになると信じており、それまで正しくありたいと願っていた。一年前、紫海館学園に隠された秘密、C.A.T.の事を知ってしまい、事故にみせかけて殺された。しかし殺される前に密かにC.A.T.に関するさまざまなデータとC.A.T.を初期化し再起動するプログラムをCDに記録し、「ボクの身に何かあったらこのCDを見て」という内容のメモをCDに挟みギリに渡していた。
- 荻原志乃(おぎわら しの)
- 現在、高校二年生。ギリと春の中学からの友人。気が強く美人。ハルノクニを独立させたギリを心配すると共に真実を知りたいと望み、コーさんと共にハルノクニへ亡命者として迎え入れられた。CDの解析、およびハルの情操教育担当。
- 吉田浩一郎(よしだ こういちろう)
- 通称・コーさん。現在、高校二年生。ギリと春の友人で中学が同じ。理工系だが、格闘技全般に精通している。ギリを心配すると共に真実を知りたいと望み、志乃と共にハルノクニに亡命者として迎え入れられた。ハルの格闘技の師匠。恩師である蜂谷との戦いで右腕を骨折したり、志乃をかばって足を自衛隊員に撃たれるなど、負傷する回数が多かったが、大事には至らなかった。
- ハル
- 紫海館学園にいる校長の飼いネコである黒ネコ。元々の名前はクロだったが、ギリによってハルと名づけられた。実はC.A.T.(用語解説参照)。ハルノクニの「防衛力」とされ、ギリの命令により橋を崩落させる、目から光線を発射する、尻尾を枝分かれさせて伸ばし橋にするなど、多彩な能力を持つ。量産型C.A.T.のテセラを倒す際にプログラムが破損したが、春が遺した予備プログラムにより復活。榊の陰謀を暴くことに成功したが、予備プログラムでは身体を保つことができず、ギリの腕の中で炭素繊維と化した。
[編集] 日本政府
- 榊秀輝(さかき ひでき)
- 日本国内閣総理大臣であり、元防衛庁長官。連載当初の日本国総理大臣小泉純一郎と瓜二つである。C.A.T.の研究の中心人物だった。自分に反論した官僚や無関係な国民を躊躇せずに殺める非情な人物。最後は国民に自分の意思を告げ自殺した。危険な思想の持ち主で、目的は軍事政権樹立と国家転覆だった。そのため、総理になる以前から、勉強会の名目で一部の官僚、自衛官と接触しクーデターの計画を練っていた模様。読みの鋭い人物で、非常用ケーブルのこともわかっており、自衛隊に破壊を命じていた。
- 卯月麗(うづき れい)
- 日本国内閣総理大臣第一秘書。事件以後は沼博士と同じく事件以後消息だが、今回の事件を見逃したもの他ものとして、捕まったものと思われる。
- 鏑雷堂(かぶら らいどう)
- 陸上自衛隊幕僚長。冷酷な性格で、たとえ自分の部下でも逆らえば容赦しない。国民に対してもその性格は代わらず、応援してくれている民衆を豚呼ばわりした。榊の腹心的存在で以前から接触していた模様。そのため、榊の命令にはよく従う。警察を馬鹿にしていた。今回のクーデターの協力者兼主犯格として逮捕された。陸上自衛隊の最高責任者でありながら、このようなクーデターに加担した罪は重く、重罪は確実と思われる。
- 沼一之(ぬま かずゆき)
- 内閣特別調査室技師。CATの生みの親。自意識過剰なマッドサイエンティスト。事件以後、消息不明。恐らく捕まったものと思われる。
[編集] 日本警察
- 森義彦(もり よしひこ)
- 警視総監。武闘派のたたき上げで、当初はハル捕獲の指揮を執るが蜂谷に弱みを握られており(何の弱みかは不明)彼女を呼んだときに指揮権を強奪される。以後出番なし。榊を嫌っている。
- 碓氷新(うすい あらた)
- 警視正。「ハル」捕獲の作戦を担当。キリコを尊敬している。警察官僚。森の腹心的存在である。森本人も信頼している模様。キリコの後輩に当たる。
- 蜂谷キリコ(はちや‐)
- 特別管理官。女王蜂(クイーンビー)の異名をもつ、SATの女性隊員。ハル捕獲作戦の為アメリカから呼び戻された。碓氷の先輩でもある。コーさんに格闘技を教えた張本人。
- ギリ達を説得して海外へ逃がそうとしたが、コーさんの決意に負け、撤退した。
- 斯波春樹(しば はるき)
- 警察庁第一機動部隊隊長。当初の捕獲作戦でハルを追い詰める。しかし、結果としてこれがハルの弱点を見つけ出す鍵となった。2度目の捕獲作戦では捕獲を一任。しかしレベル3となったハルに手も足も出なかった。にもかかわらず長時間食い止めたかなりのやり手。コーさんも認めていた。
[編集] エイトテレビ
- 山本あゆみ(やまもと‐)
- エイトテレビのアナウンサー。ハルノクニ関連の取材を試みるが、政府からの圧力に屈した局から無理矢理手を引かされる。中山と共にギリに協力する。正義感が強い。
- 中山耕輔(なかやま こうすけ)
- エイトテレビのプロデューサー。かつて記者だった頃に榊の陰謀を知り過ぎた記者仲間を殺され、その仇をとるためにギリに協力している。
[編集] 用語解説
- 東京都立紫海館学園(とうきょうとりつしかいかんがくえん)
- 全寮制の超進学校。レインボーブリッジの傍、東京湾にある白い塔が校舎。4~6Fは教職員寮、7~9Fは男子寮、10~12Fは女子寮、13~54Fは教室群(うち32Fは学生食堂)、頂上のドームは校庭となっている。また地下7Fには中央コントロールルームがあるので地下施設もあると思われる。冷暖房完備の教室、最新の教育設備、全室個室の学生寮、と設備の充実した学校。許可無しの外出は規則で禁じられている上、陸地とは橋一本でしかつながっておらず、最新のセキュリティシステムが働いており、許可を得ない限りは関係者でさえも敷地内から一歩も出ることが出来ない。
- 本来の設立目的はC.A.T.の研究及び教育、そして官僚達が緊急避難するための避難壕だったらしい。「ハルノクニ」事件の収束後は廃校されたらしいが、校舎は未だに残っている。
- ハルノクニ
- ギリが、ハルを使って紫海館学園と日本国領土を繋ぐ唯一の陸地であった橋を崩落させ、紫海館学園を領土として独立させた新国家。現在、国民はギリ1人と亡命者2人、防衛力はハル。日本国に対して首脳会談の開催を要求している。
- C.A.T.(Carbon Algorithm Tube)
- カーボンナノチューブを基に開発された、日本の純国産兵器であり、優秀な人工知能。通称CAT。ハルの正体であり、その性能は3段階に分かれている。
- LEVEL 1:兵器としての機能一切を封印し、通常のネコとほぼ同じ状態。
- LEVEL 2:尾を伸ばしたり、内蔵している光学兵器を使うことができる。
- LEVEL 3:原子に情報を記録する「原子メモリー」機能開放。人語を喋る。
- エイトテレビ
- 作中に登場するテレビ局。名前の由来はフジテレビ(8ch)だと思われる。紫海館学園がレインボーブリッジそばにあるという設定のため、一番近いテレビ局として登場していると思われる。
[編集] 漫画
単行本(コミックス)は2006年10月現在2巻が、小学館より発売されている。
- 単行本の発売年月日
[編集] 外部リンク
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