ネオダーウィニズム
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ネオ・ダーウィニズム(neo-Darwinism)は総合説、現代進化論(Modern evolutionary synthesis)とも呼ばれる進化論上の考え方のひとつ。ダーウィニズムを発展させた理論であり、現在の進化論の根幹をなしている。
ダーウィニズムは生物の形質の違いが生存・繁殖上の有利不利を生み、自然淘汰を引き起こすとしたものであったが、その最大の弱点は「形質の違いはどこから来るか」を何も説明していないことであった。 また、メンデルを始祖とする遺伝子の概念とはまったく無関係に組み立てられたものでもあった。
ダーウィニズムと遺伝学が結びついたのは突然変異の発見である。 それまでになかった遺伝子が突然出現する現象が自然淘汰のもとになる形質の違いを生むことがわかり、1930年以降、ロナルド・フィッシャー、テオドシウス・ドブジャンスキー(Theodosius Dobzhansky)、エルンスト・マイヤー、ジョージ・シンプソン(George Gaylord Simpson)などの生物諸分野の学者たちが、進化論と遺伝学が統合できることを示し、その後理論として成立した。
一方、構造主義進化派の立場からは「突然変異の偶然性や自然選択の原理ばかりが進化の本質ではない」、「DNA=生物ではない」と、幾分戯画化されて批判されている(ネオダーウィニズムは、それほど単純な主張にまとめられるわけではない)。