トロピコ

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トロピコ (Tropico) は、アメリカのソフト会社PopTop制作のシミュレーションゲーム。プレイヤーは、南国の島国の大統領（プレシデンテ）となって島の治世全般を行う。

[編集] ゲーム内容

プレイヤーは島の大統領（プレシデンテ）となり、1950年からおよそ50年に渡る島の治世を行う。シムシティなどの大規模都市ゲームとは異なり、500人前後の島を経営する小さなスケールのゲームであるが、それ故に、島民一人一人に家族、生活、考え、があり、島を発展させつつ、島民の満足も満たさねばならない。約10年に一度行われる選挙に落選すると、その時点でゲームオーバーになる。規定のシナリオを楽しむのも良いが、ランダムマップ生成で、観光客であふれる南の楽園から軍国主義の島まで、半永久的プレイが可能。米ソ冷戦構造下のキューバを思わせる舞台設定となっている。

[編集] 特徴

発売から年数も経っているが、未だにプレイし続けている人も多く、新規プレイヤーも後を絶たない息の長いゲームである。その魅力は、小規模に徹した故の絶妙の箱庭感と、ゲーム中にとぎれることなく流れるDaniel Indartによるサルサの心地よさだと思われる。グラフィックも今となっては決してリッチとは言えないが、細かい住民のアニメーションや書き込まれた建築物など、魅力は色あせていない。常に流れ続けるサルサとコントラストの付いた強い日差しを思わせるグラフィック、こういったゲーム全体からにじみ出るカリブの雰囲気が、トロピコに他に類を見ない魅力を与えている。

ゲーム内の雰囲気はまじめ一辺倒ではなく、江原正士の憎たらしくも愛すべき秘書官共々、とぼけたブラックな笑いがある。例えば……

選挙での票の不正が可能、対立候補を投獄、暗殺も可
自分のスイス銀行口座に送金し私腹を肥やす etc...

またシミュレーションゲームとしてのプレイ幅も広く、観光資源を中心とした楽園の島から統制の効いた軍国主義の島まで、好きなようにプレイできる。プレイ期間も100年を超えての長期政権も可能ではあるが、島という地形上、建築物の飽和が起こってしまい、住民の満足度を高めておくのが困難になってしまうため、やはり普通のプレイでは50年間が目安となる。このため、一回のプレイ時間も数時間ですむ場合も多く（住民一人に注目して、その一生を観察などしていればいくらでも時間はかかる、そういう楽しみ方もある）、基本的に気軽にスタートして終わることが出来る。このような取っつきやすさも長くプレイヤーに愛され続けているポイントだと思われる。

[編集] シリーズ

トロピコ完全日本語版（原題：Tropico）: 最初に発売された無印のトロピコ。国内版は2001年12月6日にマイピックより発売。現在は廉価版になって入手性は比較的良い。完全日本語版はプレシデンテの秘書官を声優の江原正士が吹き返えしており、彼のとぼけた役所がトロピコの大きな魅力となっている。英語版では、この江原氏独特の言い回しが体験できないので、英語でプレイできる人でも日本語版が勧められる。

トロピコ～パラダイスアイランド～（原題：Tropico：Paradise Island）
トロピコプラス～パラダイスアイランド～: トロピコの拡張パック。プラスは完全日本語版と拡張パックが同梱されたセット。絶体に日本語化されないだろうとの周囲の憶測を裏切って、2002年8月22日にマイピックより日本語版発売。開発元はPopTopではなく、Breakaway Gamesとなっている。追加要素は以下の通り。

観光客：学生観光客、エコツーリスト
建物：コンドミニアム、映画館、家具工場、マリーナ、免税品店、自然保護区、プレジデンテ幼少期の家、美術館、温室、テニスコート、ミニゴルフ、遺跡発掘現場、陸軍基地、地下牢
建物の回転が可能に（一部不可）
プレジデンテの属性が増えた
新規シナリオ
新規BGM
ランダムイベント

現在は日本語版の拡張パック、プラスは入手がかなり難しく（販売当時から拡張パック単体は流通量が少なかった）、新規プレイヤーの購入は困難なことが多い。時折、再販されることもあるようなので、そういった機会を狙うか、流通量は少ないが中古商品・オークションを探すしかない。英語版であれればMucho Macho Editionとして、入手容易。

トロピコ 2 ～海賊の島～（原題：Tropico 2：Pirate Cove）: 開発はFrog City Software。同じゲームエンジンを使っているが、こちらは海賊経営ゲームとなっており、全く違うゲームだと思った方がよい。奴隷の扱いなど、日本人の感性に会わない部分もあり、プレイヤーの間では賛否両論。