チャンドラグプタ2世
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チャンドラグプタ2世(Chandragupta II、生没年不詳、在位 376年 - 415年)は、古代インドのグプタ朝第3代目の王。 自らを「武勇の太陽」と名乗り、東晋の僧である法顕の記した『仏国記』では超日王と呼ばれている。2代目のサムドラグプタから王朝を受け継ぎ、その最盛期を築いた。
イラン系のサカ朝(西クシャトラパ)を下し、西はアラビア海、北はヒマラヤ山脈の麓に至る領域を支配。デカン高原のヴァカタカ朝やパンジャーブ諸国はグプタ朝に臣下の礼を取り、事実上インドの全域を支配下に治めて、その領域を最大のものとした。
また、グプタ朝の文化的全盛期は5世紀頃であり、チャンドラグプタ2世の統治下においてその端緒が開かれて次代のクマーラグプタ1世の時代にわたって繁栄した。 チャンドラグプタ2世の時に宮廷に仕えた詩人で戯曲作家のカーリダーサがサンスクリット文学の傑作『シャクンタラー』を発表し、説話集『パンチャタントラ』が編纂されたのもおおよそこの時期であると考えられている。 また、民間ではヒンドゥー教が隆盛する一方で、仏教もその研究においては盛んであった。またアジャンター石窟寺院が再び活動を始めたのもこの時期といわれる。