タジク語
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タジク語はタジク人の言語で、タジキスタン共和国の公用語。系統的にはインド・ヨーロッパ語族イラン語派に属し、ダリー語と同じくペルシア語に極めて近い。
話者はタジキスタンを中心に、ウズベキスタン、アフガニスタン、中国などに分布する。話者の総数は約1000万人。そのうちの400万人強が旧ソビエト連邦圏内に暮らす。タジキスタンに320万人、ウズベキスタンに約933,560人、アフガニスタンに580万人、キルギスタンに33,518人、カザフスタンに25,514人。中国国内には西の国境地帯に約26,000の話者がいる。
以前は、中央アジアに暮らしていたタジクと呼ばれる集団によって話されるペルシア語の方言と考えられていた。1928年、ソビエト連邦政府によりラテン文字による表記が制定されたことで、ペルシア語とは別の独立した言語であると考えられるようになった。しかし現在でも言語学的にはペルシア語の方言と考えられる。ソビエト連邦ではその後、1939年以降、キリル文字を用いて表記されるようになった。アフガニスタンなどでは現在もタジク語の表記にアラビア文字が用いられている。
ロシア語の影響により、タジキスタン国内のタジク語と、イランやアフガニスタンのタジク語とのあいだには差異が生まれている。