スノーダンプ
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スノーダンプは、除雪用具の一つ。
[編集] 概要
大型の角型シャベルにパイプの持ち手が付いたような形状で、ソリのように雪を押して運ぶ。人力による除雪用具の中では、一度に最も多くの雪を運ぶことができる。昭和二十年代に国鉄職員が除雪のために木で作ったものがルーツと言われている。その後は、鉄やアルミといった金属製が普及していたが、近年では軽量なポリエチレンやポリカーボネートといったプラスチック製の物が主流である。形状は底が湾曲した船底型と、屋根の雪下ろしに向いた平底型もある。平底型は屋根に積雪し押し固められた雪に対して使用されるため、金属製である。
- 積雪量の多い地域では、一家に一台以上所有している場合が多い。
- 圧雪等の硬い雪を処理する場合には、プラスチック製だと割れやすいので、金属製が使われる場合がある。
- サイズは子供でも使える小型の物から、大型の物まで数種類ある。
[編集] 呼称
一般的に「スノーダンプ」や「ママさんダンプ」と呼ぶことが多い。後者は特にプラスチック製の物を指して使われることが多いが、この名称は新潟県の金澤樹脂工業(現在、ニラサワ製販が事業を引き継いでいる)が、プラスチック製スノーダンプに使用する登録商標である。開発当時、新潟県では、冬季に男性が出稼ぎに出ることが多く、雪かきは女性の仕事だった。そういった女性の労力を軽減するために、軽量素材を使用し、女性の体格に合うよう柄の長さを調整し、女性が使いやすい商品として開発を行った。「ママでもダンプカーのように雪が運べる」ことにちなんで、この名称が付けられた。ちなみにプラスチック製スノーダンプで、男性向きに改良された物として「パパさんダンプ」という商品も販売されている。