ストップゴー政策
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ストップゴー政策(stop-go)とは、経済政策において景気拡張姿勢と景気抑制姿勢を交互に繰り替えす政策のこと。ストップアンドゴー政策とも呼ぶ。
[編集] 概要
この政策は、財政政策や金融政策において短い期間に方針を変更することが特徴。主に1960年代でイギリスで取られた政策をそう呼ぶ。
[編集] イギリス
ニクソンショック以前はブレトン・ウッズ体制であったため、ドル/ポンドは固定相場制をとっていた。
固定相場制の下では、国際収支ができるだけ均衡するようにしなくてはならない。そのため、好景気になっても国際収支が赤字になると引き締め政策を取らざるを得なかった。もし国際収支の赤字を放置すればマネーサプライが減少し金利の上昇で自動的に引き締めがかかる。
このような中で、イギリス経済は拡張と引締めが繰り返されることになった。このため、投資水準が必要を満たさず資本蓄積が遅れ、経済力の伸び悩みにつながった。
この後、長期経済計画が行われ1970年頃には軌道に乗ったが、1973年に起きた石油危機によりスタグフレーションへ陥った。そうした構造的に問題が解決しない状況と政策の迷走に対して英国病(ヨーロッパの病人)という不名誉な呼び名がつけられた。
[編集] 日本
バブル景気崩壊後の日本において、財政政策の拡張と緊縮が繰り返されたことも、ストップゴー政策と呼ばれることがある。
景気後退が深刻になった1990年代初めには早速、緊急の経済対策として財政政策が発動された。数々の「緊急」「臨時」「特別」な財政政策により1996年には内需主導の景気回復が達成されようとしていた。しかし、1997年に消費税引き上げや歳出の抑制が行われた結果、1998年には危機的な経済状況に陥った。1998年、再び莫大な財政出動が行われ1999年には持ち直したが、再び2000年から抑制傾向が強まり、2001年~2002年にかけて厳しい不景気となった。2003年以降は外需主導の景気拡張が始まり、財政引き締めの抑制効果は相殺されている。
こうした財政政策の迷走は、民間投資主導の景気回復が望ましく政府債務は増やすべきでないという考え方があったためである。そのため、財政政策はあくまで「短期」「一時的」な政策で、それによって民間投資に火をつけなるべく早く財政収支を均衡あるいは黒字にすべきであるという結論が生まれる。そのため、少しばかりの景気回復が成るとすぐに財政再建が求められ、緊縮財政が深刻な不景気をもたらすようになった。
本来、設備投資の退行という中期的な循環に対して、一時的な政策方針で臨むべきではない。冷え切った投資マインドが改善する前に緊縮財政に転じては重要なアナウンス効果が薄れるばかりかマイナスに働きかねないのである。