ステップ (地形)

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ステップ（英語：steppe 、ロシア語：степь、ウクライナ語：степ）は、中央アジア黒土帯などに存在する草原のこと。自然地理学では、樹木のない平原で、河川や湖沼から離れたものをさす。広義には夏に枯れてしまう温帯草原を指すこともある。

プレーリーが丈の高い草でおおわれる平原であるのに対し、ステップでは通常丈の短いイネ科等の草がみられる。半ば砂漠であることもあれば、草ないしは低木におおわれていることもある。季節により両者が移り変わることもある。

この用語はまた、森林を形成するほど湿潤ではないないが、砂漠というほど乾燥していないような地域を指すのに使われる。気候は夏の暑気と冬の寒冷が特徴で、降水量は年間平均250～500mmである。

植物の丈は通常30cm強。春の降雨期に花が咲き、実をつける。夏は乾燥のため地上部は枯れてしまう。ブルーグラマ（blue grama）、ヤギュウシバ（buffalo grass）、サボテン、ヨモギ（sagebrush）、スペアグラス（speargrass）、小型のヒマワリなどがみられる。

動物では、コサックギツネ（Corsac Fox）、モンゴリアン・ジャービル、サイガ（Saiga Antelope）、オオヤマネコ（Northern Lynx）、セーカーハヤブサなどがみられる。

世界最大のステップは「グレート・ステップ（the Great Steppe）」とよばれ、ロシア中央部および近接する中央アジア諸国にまたがる。西からポンティック・ステップ（Pontic steppe）がウクライナからウラル山脈・カスピ海にかけてひろがり、そのままカスピ海東部へ、トルクメニスタン・ウズベキスタン・カザフスタンをへて、アルタイ山脈・コペトダグ山脈（Kopet Dag）・天山山脈にいたるまでステップがつづく。ステップ地帯の北側、ウラル山脈西部は、西シベリア平原およびタイガが、北極海にいたるまで広がっている。

その他には、アメリカ合衆国からカナダにかけて大規模なステップがひろがっている。ハイ・プレーンズ（High Plains）とよばれるステップで、グレートプレーンズの西端に位置する。