サッカーセルビア・モンテネグロ代表
出典: フリー百科事典『ウィキペディア（Wikipedia）』
|
サッカーセルビア・モンテネグロ代表（Фудбалска репрезентација Србије и Црне Горе）はセルビア・モンテネグロサッカー協会により編成されるサッカーのナショナルチームである。
1992年にユーゴスラビア連邦が崩壊。スロベニア、クロアチア、ボスニア・ヘルツェゴビナ、マケドニア共和国がユーゴスラビア連邦から独立。以降ユーゴスラビア連邦のうちセルビア・モンテネグロからなる「ユーゴスラビア連邦共和国」が存続したが、2003年に穏やかな連邦制に移行したことにより「セルビア・モンテネグロ」に国名を変更した。
以上の点を踏まえ、1992年から2003年まで「ユーゴスラビア代表」として存続したセルビア・モンテネグロ代表と同じ枠組みで選出されるサッカーナショナルチームについても本項目で扱う。1992年以前のユーゴスラビア代表についてはサッカーユーゴスラビア代表を参照のこと。
2006年のワールドカップドイツ大会直前に当たる5月21日にモンテネグロの独立の可否を問う国民投票が成立し、欧州連合が設定した独立を認める基準を突破した。さらにワールドカップ開幕まで1週間をきった6月3日にモンテネグロが独立を宣言した。セルビア・モンテネグロサッカー協会は、2006年のワールドカップが終了し次第セルビアとモンテネグロで別々のナショナルチームが結成される見通しであるとコメントしている。既に2006年から始まる欧州選手権予選にはセルビア・モンテネグロの名前でエントリしているが、セルビアが後継ナショナルチームとしてグループAに出場する。モンテネグロは欧州選手権のエントリが締め切られているため、参加できない。
「セルビア・モンテネグロ」代表と言う名前でワールドカップ本大会に出場するのは、2006年のドイツ大会が最初で最後の大会となった。
目次 |
[編集] 歴史
1992年6月からセルビアとモンテネグロからなるユーゴスラビア代表は国際連合の決議に従った国際サッカー連盟と欧州サッカー連盟から国際試合からの締め出しを受け、一切の国際試合の機会を喪失した。ユーゴスラビア代表が国際試合の場に復帰するのは、1994年も押し迫った12月23日のブラジル戦からである。
その後もユーゴスラビア国内ではユーゴスラビア崩壊の混乱の影響が長く続いたが、1998年のワールドカップフランス大会の欧州予選を突破。ドイツ、アメリカ、イランと同一のグループを無敗の2位で通過。トーナメント初戦でオランダに敗れたものの、国際試合の舞台でユーゴスラビアの存在感を見せ付けた。
続いて、1999年のユーゴ空爆の中から、ユーロ2000の予選を突破。スペイン、ノルウェー、スロベニアの組を2位で突破。トーナメントで再びオランダに敗退するもベスト8に入った。
2002年ワールドカップ、2004年の欧州選手権の出場は逃したが、2006年ワールドカップの欧州予選はスペイン、ボスニア・ヘルツェゴビナ、ベルギー等と同組のグループを1位で通過2大会ぶりの本大会出場を決めた。欧州予選では10試合での総失点を1に押さえ、守備力の高さが際立っっていた。本大会のグループリーグでは初戦で、旧ユーゴスラビアとして最後の対戦国になったオランダ、続いて90年ワールドカップでPKの末敗れたときの相手アルゼンチン代表と対戦した。本大会では欧州予選を戦ったディフェンスラインを組めなかったことで、守備の面で苦戦。特に2戦目となるアルゼンチン戦では0-6と大差で敗れ去った。最終戦のコートジボワール戦はセルビア・モンテネグロとして最後の試合になったが、前半20分までに2-0とリードしたもの、その後3点奪われ逆転負け。セルビア・モンテネグロと言う名前での最初で最後の大会は3戦全敗でグループリーグ敗退と言う結果に終わった。
[編集] ワールドカップの成績
[編集] 欧州選手権の成績
[編集] 選手
[編集] 現在の選手(2006 FIFAワールドカップ代表)
| Pos. | 背番号 | 選手名 (日本語) | 選手名 (原語) | 生年月日 | 身長(cm) | 体重(kg) | 所属チーム |
| GK | 1 | ドラゴスラフ・イェブリッチ | Dragoslav Jevrić | 1974年7月8日 | 187 | 82 | アンカラシュポル |
| GK | 12 | オリベル・コバチェビッチ | Oliver Kovacević | 1974年10月29日 | 186 | 89 | CSKAソフィア |
| GK | 23 | ウラジミール・ストイコビッチ | Vladimir Stojković | 1983年7月28日 | 195 | 92 | ナント |
| DF | 3 | イビツァ・ドラグティノビッチ | Ivica Dragutinović | 1975年11月13日 | 184 | 83 | セビージャ |
| DF | 5 | ネマニャ・ビディッチ | Nemanja Vidić | 1981年10月21日 | 188 | 82 | マンチェスター・ユナイテッド |
| DF | 6 | ゴラン・ガブランチッチ | Goran Gavrancić | 1978年8月2日 | 181 | 84 | ディナモ・キエフ |
| DF | 13 | ドゥサン・バスタ | Dusan Basta | 1984年8月18日 | 183 | 72 | レッドスター・ベオグラード |
| DF | 14 | ネナド・ジョルジェビッチ | Nenad Djordjević | 1979年8月7日 | 182 | 76 | セビージャ |
| DF | 15 | ミラン・ドゥディッチ | Milan Dudić | 1979年11月1日 | 183 | 77 | レッドスター・ベオグラード |
| DF | 20 | ムラデン・クルスタイッチ | Mladen Krstajić | 1974年3月4日 | 191 | 83 | シャルケ04 |
| MF | 2 | イヴァン・エルジッチ | Ivan Ergić | 1981年1月21日 | 185 | 84 | バーゼル |
| MF | 4 | イゴール・ドゥリャイ | Igor Duljaj | 1979年10月29日 | 174 | 73 | シャフタール・ドネツク |
| MF | 7 | オグニエン・コロマン | Ogunjen Koroman | 1978年9月19日 | 175 | 70 | ポーツマス |
| MF | 10 | デヤン・スタンコビッチ | Dejan Stanković | 1978年9月11日 | 181 | 79 | インテル |
| MF | 11 | プレドラグ・ジョルジェビッチ | Predrag Djordjević | 1972年8月4日 | 183 | 75 | オリンピアコス |
| MF | 17 | アルベルト・ナジィ | Albert Nadj | 1974年10月29日 | 174 | 63 | パルチザン・ベオグラード |
| MF | 18 | ズボニミール・ブキッチ | Zvonimir Vukić | 1979年7月19日 | 182 | 72 | パルチザン・ベオグラード |
| MF | 22 | ササ・イリッチ | Sasa Ilić | 1977年12月30日 | 178 | 70 | ガラタサライ |
| FW | 8 | マテヤ・ケジュマン | Mateja Kežman | 1979年4月12日 | 179 | 69 | アトレティコ・マドリード |
| FW | 9 | サヴォ・ミロシェビッチ | Savo Milosević | 1973年9月2日 | 186 | 78 | オサスナ |
| FW | 16 | ミルコ・ブチニッチ | Mirko Vucinić | 1983年10月1日 | 186 | 76 | レッチェ |
| FW | 19 | ニコラ・ジギッチ | Nikola Zigić | 1980年9月25日 | 202 | 96 | レッドスター・ベオグラード |
| FW | 21 | ダニエル・リュボヤ | Danijel Ljuboja | 1978年9月4日 | 188 | 75 | シュトゥットガルト |
| 消滅したサッカーのナショナルチーム | |||||||||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
|
チェコスロバキア | 東ドイツ | ザールラント | ソビエト連邦 | セルビア・モンテネグロ | 南イエメン | 南ベトナム | ユーゴスラビア |
|||||||||||
