サソリ固め

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サソリ固め（ - がため）は、プロレスで繰り出される技の一種である。英訳すると「スコーピオン・デスロック」であるが、アメリカなどの英語圏では、シャープ・シューター（Sharpshooter）という名称でも呼ばれる技である。

倒れている相手の両足の間に右足を入れて相手の左脇腹の横へ踏み込んで、相手の両足を膝でクロスさせて相手の右足を自分の右腕でロックし、右足を軸にして反転して相手をひっくり返すもの。掛けられた相手の姿がサソリのように見える事からこの名が付いた。

しっかりと腰を落とし、極めている右腕ごと後ろに反り返れば相手の足首、膝、腰が締め上げられる格好となり、試合の終盤になるとフィニッシュ・ホールドとなる。

カール・ゴッチが開発したともいわれる。日本では長州力が用いることで有名である。相手の足首をロックしてひっくり返す動作は、裏返してポイントを稼ぐアマチュアレスリングでは基本技術であり（アンクルホールド＝プロレスの同名技とは別）、長州にとってはアマの頃の動きを応用しただけのこと、ともいえる（実際、デビュー戦からこの技を使い勝利している）。長州力と藤波辰爾の抗争の際には、藤波辰爾もこの技を頻繁に用い、テレビ放送では「掟破りの逆サソリ」と形容された。

また女子においてはクラッシュギャルズの長与千種が最初にこの技を女子マット界に取り入れ、タッグパートナーのライオネス飛鳥と同時にこの技を使い観客を盛り上げた。

WWEでは過去にブレット・ハートが得意技・必殺技として使用していた。ブレットは左利きであるためロックした相手の足を左脇で抱えており、それをシャープシューターとしてサソリ固めとは別の技とする見解もあったが、ショーン・マイケルズがブレットとの抗争で所謂「掟破り」の右脇で抱えるシャープ・シューターを使用したのを皮切りにクリス・ベノワやザ・ロックが右で抱えるシャープシューターを使用しており、現在はほぼ同一の技として認識されている。（足の組み方が上下逆という説もある。）

WCWではスティングが「スコーピオン・デス・ロック」の名称で使用していた。

石川孝志が使用すると「スモーピオン・デスロック」になる。

また、足の替わりに手を差し込むとテリー・ファンクなどが使用するテキサスクローバーホールドになる。

1980年代の女子プロレスでは「ロックしただけでひっくり返さない」技も流行り、ミミ萩原が使うと「ビーナス固め」と呼ばれていた。

剛竜馬がテレビ番組『リングの魂』でこの技の実演を行おうとしたが、脚のロックが分からず数度に渡って挑戦するも、結局出来なかった。