ゴールデンゴール
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ゴールデンゴール (Golden goal) は、サッカーの延長戦の方式の1つ。前後半15分の試合を行い、その間に一方のチームが得点した場合に試合を打ち切りそのチームを勝者とする。
この方式は、競技規則のテスト的な意味合いもあり、日本で1993年にJリーグが創設された際に引き分けを良しとしない国民性に合わせて導入された。当初はサドンデスといっていたが、「突然の死」という意味のためふさわしくないとして1994年にVゴールの名称に変更されている。その後競技規則にも「ゴールデンゴール」の名称で正式に採用された。
主な国際大会では、ワールドカップでは1998年大会と2002年大会で、欧州選手権では1996年大会と2000年大会で、それぞれ採用された。主なゴールデンゴールとしては、1996年の欧州選手権決勝ドイツ対チェコ戦のオリバー・ビアホフによるゴール、1998年のワールドカップフランス大会決勝トーナメント1回戦フランス対パラグアイ戦のローラン・ブランによるゴール、2000年の欧州選手権決勝フランス対イタリア戦のダビド・トレゼゲによるゴールがあげられる。日本においては、ワールドカップフランス大会アジア最終予選の日本対イラン戦(ジョホールバルの歓喜)における岡野雅行のゴールが有名。
この方式を考案した日本では、野球の延長サヨナラ勝ちと同様の意味合いとして捉えられて普及し、前述のように競技規則にも正式採用されるほどであったが、ペナルティーキックになった場合、その時点で、非常に高い確率で得点が決まるのと同時に勝敗が決まってしまうことや、1点が入った段階で残りの反撃の機会を絶たれてしまうということは、機会の平等の上で問題があるとの考えから、主にヨーロッパで不満が持たれていた。このためUEFAでは2002-2003シーズンより、欧州選手権やチャンピオンズリーグなどの主催大会でシルバーゴールという多少緩和した方式を採用している。
日本では、サッカーという競技への認知度が向上し、引き分けの重要度が広く理解されるようになったこともあり、Jリーグが2002年からJ2の、2003年からJ1の延長戦を廃止し、リーグ戦のVゴールは終了した。
2004年の競技規則改正により、延長戦は前後半を必ず最後まで行う旧来の方式に戻され、ゴールデンゴールとシルバーゴールは同年をもって廃止された。
[編集] その他類似ルール
- アイスホッケーのトーナメント戦で「サドンヴィクトリー方式」が採用されている。