コーンフレーク
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コーンフレークは、トウモロコシを加熱調理した上で長さ1cm程度の薄い破片に成型、砂糖などで味付けをした食品。器に盛って牛乳や豆乳をかければすぐに食べることができるため、特に朝食用に普及している。1894年にアメリカ合衆国のジョン・ハーヴェイ・ケロッグ博士(John Harvey Kellogg)によって発明された。
日本ではトウモロコシ以外に、米、大麦、小麦などを主原料にしたものもあり、総称してシリアル食品と呼ばれている。
[編集] 歴史
19世紀の終わり、ミシガン州バトルクリーク(Battle Creek)のバトルクリーク・サナトリウム(Battle Creek Sanitarium)を監督していたケロッグ博士は、セブンスデー・アドベンチスト教会の教義に合致した、厳格な菜食主義の病人食を作っていた。ある日ケロッグと弟のウィル(Will Keith Kellogg)は、小麦粉を練ってローラーで引き延ばし、薄いパン生地を作ろうとしていた。しかし何らかのトラブルがあり、しばらく放置した結果、パン生地になるはずの小麦が乾燥してしまった。経済的な理由から生地を捨てずにそのままローラーで引き延ばしたところ、フレーク状のものができ、これが患者たちに好評だった。これは1894年4月14日の出来事とされる。兄弟は同年5月31日に、「グラノース(granose)」という名前でこの食品の特許を登録した。兄ケロッグはこの後も研究を重ね、トウモロコシが原料として最適であることをつきとめた。ウィル・キース・ケロッグはコーンフレーク製造を1906年2月19日に事業化したが、コーンフレークの口当たりをよくするために砂糖を添加するか否かで兄と仲違いし(兄のケロッグ博士は、砂糖の摂取が性欲を増大させ、健康を損なうと考えていた)、兄弟は絶交した。ウィル・キース・ケロッグの起こした会社が現在のケロッグ社(Kellogg Company)である。これによりアメリカの朝食の形態は大きく変化した。
兄弟がこのような食品を開発した背景として、2人が健康と心霊的な理由から菜食主義を推奨しているセブンスデー・アドベンチスト教会の信者で、働いていたサナトリウムも教会の療養所であったことが挙げられる。
日本では1963年に、ケロッグ社日本法人の日本ケロッグとシスコ製菓(現在の日清シスコ)によってコーンフレークが発売され、急速に普及した。
[編集] 関連項目
[編集] 映画
- 『ケロッグ博士』(The Road to Wellville) - 1994年、アメリカ作品