コブラ (漫画)
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『コブラ』 (COBRA THE SPACE PIRATE) は寺沢武一の漫画作品。および作品内の主人公の名称。
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[編集] 概要
左腕にサイコガンを持つ一匹狼の正統派海賊・コブラを描く痛快SFアクション(スペースオペラ)。
「週刊少年ジャンプ」で1978年から1984年にかけて断続的に連載され、1982年には映画化、TVアニメ化されるなど人気を得た。その後も「スーパージャンプ」、「コミックフラッパー」と掲載誌を変えながらも連載は(断続的にではあるが)継続している(新作エピソードの発表は未定)。
既刊作品がたびたび版を変えて再発売されるロングセラーになっている。2005年頃に集英社から発行されていた単行本はすべて絶版となったが、2006年12月現在、完全版コミックスおよびフルカラー版の「黒竜王」「マジックドール」編がメディアファクトリーより発売されている(MF移行後、英語表記が SPACE ADVENTURE COBRA から COBRA THE SPACE PIRATE となった)。また、「魔法の船」、「バラ」以外のエピソードはeBookで購読が可能。
[編集] デジタル化
作者の寺沢武一は漫画執筆にパソコンを取り入れた先駆けであり、ネット配信などデジタルコンテンツとしての販売も積極的に進められている。
- 1989年、1991年のPCエンジン用ゲームにも脚本・原画と積極的に参加した。
- 1995年の「ザ・サイコガン」以降のコブラはフルカラーのデジタルマンガであり、並行して旧エピソードをデジタル彩色したものもリリースされている。
- 1998年に「ザ・サイコガン」、1999年に「ギャラクシーナイツ」がプレイステーションコミックとして発売された。
- 2001年、携帯電話、PDA用DLコンテンツ配信開始。
- 2003年、eBook配信開始。
[編集] 登場人物
- コブラ
- 銀河系にその名を轟かせた一匹狼の宇宙海賊。無益な殺戮を好まずフランシス・ドレークのような正統派たらんと常に心がけている。海賊ギルドとの果てのない闘争に疲れ切った為、自分の死を偽装し、自らの記憶も封じて整形手術で顔も変え、平凡なサラリーマン、ジョンソンとして生活していた。しかしひょんな事から記憶が戻り、新しい顔も海賊ギルドに割れてしまったことから再び海賊稼業に身を投じる。
- 生粋の地球人だが超人的な肉体と精神力の持ち主。普段は冗談やとぼけた言動が多いが、いざという時は目覚ましい活躍を見せる。また一匹狼ながら義理や友情を重んじる。ある事件で切断された左腕に、精神力をエネルギー波に変えて撃ち出す銃「サイコガン」を装備(故に左手は義手)、快速宇宙船タートル号で銀河系を駆けめぐる。
- コブラはほぼ常に葉巻をくわえており、水中や気絶している時でさえ葉巻を離さない。コブラの葉巻は喫煙用のものだけとは限らず、酸素が圧縮されている「オキシ・シガー」や、煙幕の出せるもの、手榴弾になるもの、レーザーが発射できるもの、ペンライト内蔵型など数種類を携帯しているようである。なおライターにも仕掛けが施してあり、通常の用途のほか小型の火炎放射器として使うこともできる。
- アニメやゲーム版において、コブラの声優は主に野沢那智が担当(特記しない限り)。作者側では山田康雄を希望していたが、同じ東京ムービー新社の作品ルパン三世のイメージが強すぎたため叶わず、山田版コブラはその後のPCエンジン版ゲームでようやく実現した。
- 作者によると、コブラのモデルは山田が吹き替えを良く行っていたフランスの俳優、ジャン=ポール・ベルモンドであるという。
- サイコガン
- コブラの左腕に仕込まれた銃。肘から先を包み込むように装着されている。地球・日本の銃鍛冶である不知火鉄心の作。精神エネルギーを破壊エネルギーに変換して撃ち出す物で、コブラの強力な精神力あっての武器である。相手の気配のみで狙ったり弾道を曲げて障害物の後ろの敵を撃ったり、またパワー制御も自由に可能。精神力がエネルギーなのでコブラの命が尽きない限り弾切れはあり得ない。
- 普段は上に義手を被せて隠している。この義手はかなり精巧な物で、さらにカモフラージュ装置によってレントゲンなどの探査を受けても生身の腕と区別出来ない様になっている他、置き去りにされても呼び返したり出来、空気噴射で空を飛んだり、また右腕と同様に嵌められたリストバンドには通信機やワイヤーの命綱、危険物探知機などを内蔵している。
- 作中で一度寿命で壊れており(銃身が割れた)、鉄心が生前に造ってあった2代目に交換している。ちなみにサイコガン自体、特に道具などを用いずに容易に付け外しが可能である。
- コブラは他に、クリスタルボーイ等サイコガンの通用しない相手に対して、「パイソン77マグナム」というリボルバー式実弾拳銃を使用している。普通の人間では反動で腕が吹っ飛び、威力は小型のミサイル並みとされている。
- タートル号
- コブラ専用の快速宇宙船。名前(海亀)に反して銀河一の高速を誇る。下部の円筒はコンテナで作戦に応じて様々な装備を納める(潜航艇の描写も)。
- コブラが記憶を消していた間は、シドの町にある彼自身の墓の下に隠されていた。
- アニメ版ではデザインが異なり、特にTV版ではタートル形態からコブラ形態への変形機構が加えられていた。
- レディ
- コブラの相棒。ライブメタル(古代火星人の遺した超技術で作られた超合金)のボディを持つ女性型アーマロイド。強靱なボディと優れた知力の持ち主。コブラとは強い信頼関係で結ばれており、互いの危機には命を投げ出す事も辞さない。
- 元は人間である(詳細は「6人の勇士」「タイムドライブ」で描かれている)。
- ドミニク
- 大海賊ネルソン・ロイヤルの遺児三姉妹の末妹。ネルソンの隠し財宝をめぐってコブラと出会う。実は銀河パトロールの隊員で、以後もいくつかの事件でコブラと共闘する(長姉ジェーン、次姉キャサリンはストーリー初期で死亡)。非常に露出度の高い姿をすることが多い。
- サラマンダーの手下により命を落とすが、その後同じ銀河パトロール隊員で彼女と瓜二つの「シークレット」と名乗る女性が登場している(テレビ版では記憶操作をされ、宗教家ミラールとして生きていた)。
- クリスタル・ボーイ
- 海賊ギルドの幹部。超合金の骨格とクリスタルガラスの肉体を持つサイボーグ。サイコガンを含む光線銃は特殊偏光ガラスにより全く通用しない。コブラがパイソン77を、またサイコガンを使って義手を撃ち込んだ時にはさすがに体が破損し倒れた。
- 「6人の勇士」編では暗黒神(アーリマン)の化身と化し、周辺のギルドのボスとして君臨。光明神(アブラ・マスダ)の力を受けたコブラ達6勇者と対決する。親衛隊「ブラックシープ(黒羊)」を率いる。
- コブラ最大の宿敵で、意外な因縁で結ばれている。
- サラマンダー
- ギルドの最高幹部で銀河系支配を目論む。その正体は、20世紀のある人物の亡霊だった。
[編集] 沿革
第2部以降はジャンプでは珍しい描き溜めシステムがとられ、ある程度執筆が進んだ段階で連載再開→エピソード終了による連載休止が繰り返された。
- 第1部:連載開始より「サラマンダー」編まで(1978年 - 1980年)ここまでのエピソードがTVアニメ化されている。
- 第2部:「黒竜王」編(1981年)
- 第3部:「異次元レース」編(1981年)
- 第4部:「黄金の扉」などの中編(1982年)
- 第5部:「6人の勇士」編(1983年)
- 第6部:「地獄の十字軍」編(1984年):ここまでが週刊少年ジャンプ連載分。
- リターンコブラ(1984年):ジャンプコミックス版最終18巻に描き下ろしの短編。
- 聖なる騎士伝説(1986年 - 1988年):このエピソードよりスーパージャンプにて連載開始。ここまでのエピソードが完全版コミックスに収録されている。
- 「魔法の船」、「バラ」(1988年):スーパージャンプに掲載された短編(後に画集「COBRA WONDER」に収録)
- ザ・サイコガン(1995年)
- ギャラクシーナイツ(1996年)
- タイムドライブ(1997年)
- ブルーローズ(1997年 - 1998年)
- マジックドール(2000年 - 2006年):スーパージャンプおよびコミックフラッパーにて連載。
[編集] マジックドール編の中断・再開
2000年にスーパージャンプにて連載されたが作者の体調不良により6話で中断。2002年に連載が再開されるが、9話目で再度連載が中断。2004年の『GUNDRAGON II』連載を挟んで、掲載誌をコミックフラッパーに移し、2005年5月号より連載再開(第1話より再掲載)。全16話の予定を1話延長し、2006年9月号で完結した。
[編集] アニメ
[編集] 映画版
『コブラ SPACE ADVENTURE』というタイトルで1982年7月3日に東宝洋画系で公開された。コブラの声優は松崎しげる。
[編集] テレビ版
『スペースコブラ』というタイトルで1982年10月7日から1983年5月19日までフジテレビ系で放送された(全31話)。
[編集] ゲーム
- 1989年 『コブラ~黒竜王の伝説』(PCエンジンCD-ROM² ハドソン)
- アドベンチャーゲーム。ストーリーは「黒竜王」。コブラの声優は山田康雄。
- 1991年 『コブラ II~伝説の男』(PCエンジンCD-ROM² ハドソン)
- アドベンチャーゲーム。原作初期のストーリーを下敷きにしたオリジナルストーリー。コブラの声優は山田康雄。
- 1996年 『コブラ・ザ・シューティング』(プレイステーション タカラ)
- 1996年 『コブラ II』(パチスロ オリンピア)
- 2001年 『魂打~タイピング・ザ・サイコガン』(Win & Macハイブリッド SSIトリスター 開発:スティング)
- タイピングソフト。ストーリーは「ザ・サイコガン」。2004年に廉価版発売。
- 2003年 『CRコブラ』(パチンコ ニューギン)
- 2005年 『コブラ・ザ・アーケード』(アーケードゲーム ナムコ)
- タイムクライシスの派生作品。オリジナルストーリー。
- 2006年 『ジャンプアルティメットスターズ』(ニンテンドーDS 任天堂)…11月23日発売
- 参戦作品の1つとして登場