ゲイリー・アンダーソン
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1980年代から、エディー・ジョーダンの所有するF3000チームでマシン開発の指揮を執る。1991年、ジョーダンのF3000チームがF1へステップアップしたのと同時にF1のマシン開発の指揮も執るようになる。
アンダーソンが開発の総指揮を執り、アンダーソンとマーク・スミス(現レッドブル・レーシングテクニカル・ディレクター)が共同でデザインした初年度のマシン、ジョーダン191（フォード・コスワースHBシリーズのV8エンジン搭載）は、当時無名の新人であったミハエル・シューマッハがベルギーグランプリ(開催地：スパ・フランコルシャン)で、予選7位(決勝はクラッチの焼き付きで0周リタイア)につけるなど高いパフォーマンスを見せる。また、ジョーダン191はそのシンプルなデザインと流線型の美しさから「90年代で最も美しいF1マシン」の1つに挙げられる。
その後、エディー・ジョーダンの堅実な経営とアンダーソンの育てた技術陣が高い能力を発揮する。例えば、アンダーソンの元で育った技術陣といえば、前述のマーク･スミスを初め、マイク・ガスコイン(現トヨタF1チームテクニカル・ディレクター)やニコロ・ペトルッキ(現トヨタF1チームチーフエアロダイナミキスト…空力の専門家で、車体開発陣の中ではテクニカル･ディレクターとチーフ･デザイナーの次の地位)がいる。94年にはベルギーGPで初ポールポジションを獲得(獲得ドライバー：ルーベンス・バリチェロ)、98年にはベルギーGPで初優勝(優勝ドライバー：デイモン・ヒル)、99年にはチームランキングでトップ3入りを果たす。
しかし、2000年以降ジョーダンはボーダフォンとのスポンサー契約に関する訴訟などの影響や有力スポンサーを次々とトップチームに奪われたことが原因で低迷。アンダーソンが育てた技術陣も、資金難のため満足にマシン開発が出来なくなり、チームを去っていってしまう。ついには2004年をもって、ジョーダンはカナダの鉄鋼大手ミッドランド・グループに身売りしてしまう。アンダーソンは、ミッドランド・グループに買収された初年度、ジョーダン・ミッドランド(現MF1レーシング)のテクニカル･ディレクターとして招かれ、2005年型マシンの開発を任される。(ミッドランドは2005年シーズンの開幕当初は2004年型マシンの改良バージョンで戦い、中盤から新型マシンの投入を目指していた。)しかし、チームはマシン開発の提携を行ったレーシング用車体製作大手のイタリアのダラーラ社と対立。また、アンダーソンをはじめとした2005年マシンの開発陣も、イギリスからダラーラの本拠地であるイタリアに行かなければならなくなり、これを拒否してチームを去っていく者が続出した。(この時、ミッドランド首脳陣はイタリアに赴任するか、チームを去るかのどちらかだ、と開発陣に迫ったという。)もちろん、アンダーソンも例外ではなく、このダラーラの一件を機にチームを離脱。現在は、メディアでのレース中継の解説などの仕事をしている。
