クレイモア地雷
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クレイモア地雷(英語:M18 Claymore、- じらい)は、アメリカ軍の使用する指向性対人地雷のである。陸上自衛隊が装備する同種の兵器は、当初の制式名称は指向性散弾地雷であったが、対人地雷の使用、貯蔵、生産及び移譲の禁止並びに廃棄に関する条約に批准した1998年以後は指向性散弾へと変更になり、地雷という語が削除されている。
湾曲した箱の形状をしており、地上に敷設する。起爆すると爆発により、内部の鉄球が扇状の範囲に発射される。最大加害距離は約250m、有効加害距離は約50m、加害範囲は60°最大仰角・俯角共に18°。鉄球一発あたりのエネルギー量は、約50~60フットパウンドといわれ、小銃弾の威力に値する。なお、この兵器は爆薬を使う性質上、後方180°・半径16m圏内は立入禁止エリアとなっているほか、加害範囲外半径100m圏内は危険区域とされている。
内部は700個の鉄球と炸薬代わりのC4、そしてC4に点火するための雷管が入っており、重量は1.6kg。1個あたりの値段は$250といわれている。
ワイヤートラップと連動して使用し、ワイヤーへの引張力によって起爆するほか、リモコン指令によって起爆することもできる。ワイヤートラップと連動させる場合は、接近する人員を無差別に殺傷できるため、対人地雷禁止条約による規制対象になる。リモコン操作による場合は、無差別殺傷の恐れが少ないため、条約の規制対象ではない。
そのため、日本では代替としてリモコン操作によってのみ起爆が可能な対人障害システムとして配備しているが、これは常に隊員が監視に付く必要がある上、その隊員が殺傷された場合、一定範囲の指向性散弾が一気に無力化されてしまうという欠点を併せ持っている。