クラウディオス・プトレマイオス
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
クラウディオス・プトレマイオス(ギリシャ語:Κλαύδιος Πτολεμαίος, Klaudios Ptolemaios、ラテン語ではClaudius Ptolemaeus、英語ではPtolemy(トレミー)、85年 - 165年)は古代ローマ時代のギリシャ人天文学者。エジプトのアレクサンドリアで活躍した。生没年ははっきりしない。本稿の生没年は、英語版Wikipediaによる。
[編集] 主な業績
主著『アルマゲスト』で、地球が宇宙の中心にあり、太陽やその他の惑星が地球の周りを回るという天動説を唱えた。なお、『アルマゲスト』の正式な書名は、『メガレ・シンタクシス / メガレー・シュンタクシス テース・アストロノミアース Megale Syntaxis tes Astronomias』(天文学大全)である。この書物がアラビアに渡ったときに、定冠詞Alが付き、それが定着して『アルマゲスト(最大の書)』になった。
プトレマイオスの天文学の内容は、アリストテレスやヒッパルコスなど、それ以前の古代ギリシアの学説の集大成である。天動説もプトレマイオスが唱えたというよりも、それ以前からあったものに大きく修正を加え、より実用的にしたといったほうがよい。しかし、それ以前、ばらばらに伝えられていた天文学に関する知識が、プトレマイオスの著書によりすべて集められ、その著書だけで天体観測の仕方や惑星・月などの軌道計算の方法まですべて知ることができるようにした業績は大きい。またガラス玉に拡大力があることを指摘した。
またこの著書の中で、北天の48星座(トレミーの48星座)を決定した。
著書『テトラビブロス』は、占星術の古典として知られている。
著書『ゲオグラフィア(地理学)』に収められている地図は、世界で初めて経緯線を用いた物であり、古代の人々の地理に関する知識を集成したものである。この地図は、約1,000年後の大航海時代にも影響を及ぼすが、天文観測等のデータがあまり正確な物ではなく、地球の円周を実際の7割ほどの大きさと計算している。