クイズ面白ゼミナール
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クイズ面白ゼミナール(クイズおもしろゼミナール)はかつてNHK総合テレビで放送されていたクイズ番組である。
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[編集] 基本データ
- 放送期間
- 1981年4月9日~1988年4月3日
- 放送時刻
- 毎週火曜 20:00 ~ 20:45→毎週木曜 20:00 ~ 20:45→毎週日曜 19:20 ~ 20:00
- 司会(主任教授)
- 鈴木健二アナウンサー(ただし、1988年1月23日から放送終了までの期間は、鈴木がNHKを退職しているためアナウンサーとして出演していない)。
[編集] クイズの体裁
タイトル通り大学のゼミを模したスタイルの学術的要素が強いクイズ番組。そのため司会は「教授」で解答者は「学生」という位置づけであり、教授は学生に対して基本的に命令調で喋る。「ハイ書きなさい!」など。これに内心ムッとしていた学生もいたとか。解答者は3人1組でチームを作り、総勢4チームが下記のような各種クイズの得点を競った。セットの作りは、講義室の階段教室の様な作りで、上段に2チーム(左:赤、右:青)、下段に2チーム(左:緑、右:黄)となっていた。名札板の名前の部分の前に左の人から順に1、2、3の数字が書かれ、2番の人がキャプテンで、キャプテンの名前がそのままチーム名になっていた(ただし改編期にあたる4月と10月の初回は番組対抗となることがあった)。途中経過の得点発表の時に、極端に点数の悪いチームを言う時に「60点、40点、35点、何故〈なぜ〉か15点」と言っていた。又、“歴史クイズ”と“ゼミナールクイズ”の間に休憩(休戦)が入り、お茶屋さんのセットでお菓子を食べていた。因みに、オープニングは「知るは楽しみなりと申しまして、知識を沢山持つ事は人生を楽しくしてくれるものでございます。私は当ゼミナールの主任教授でございます」との鈴木教授の挨拶で始まった。
[編集] 紹介クイズ(ホント・ウソクイズ)
解答者を1人ずつ紹介しながらその人だけに対してホント・ウソの2択クイズを出題するコーナー。正解の場合は拍手が起こり、解答者には10点が与えられる。不正解の場合はブザーが鳴る。その後解答に関する補足説明をする。
[編集] 教科書クイズ
学校で使われている教科書をもとに作成された問題が出題されるコーナー。原則4択(初期は3択)。正解発表の際は単に正解を示すだけではなく、丁寧な解説が入る。とりわけ理科問題や家庭科の場合はスタジオで実演していたのでわかりやすかった。また、解答は初期にはキャプテンがメンバーと相談して代表して解答するスタイルだったが、のちに個人解答に変更された。
[編集] 歴史クイズ
歴史の一片を演劇で紹介するコーナー。問題の部分に差し掛かったところで鈴木教授が入ってきて出題する。3択の選択肢も役者が演じて示す。最後は役者が全員ステージに並び、鈴木教授が「こちらが本日のオールスターキャストです」と締める。なおお約束として、次コーナーへ移行する時に黒子がセットを押して移動する(この手法は後のコメディーお江戸でござる/道中でござる等に引き継がれる)が、その時役者がセットと絡んで転んだり股裂きになったりなどして軽く笑いを取る。
なお、末期にはこのコーナーはなくなっていた。
[編集] ゼミナールクイズ(特集クイズ)
毎週なんらかのトピックを取りあげ、それに関するクイズを出題するコーナー。当時ニュースなどで話題になっていたものが選ばれることが多かった。こちらも原則4択だが、まれに3択・5択もあった。また、このコーナーでは取りあげたトピックの専門家を招いて特別講義が行われていた。
最後の問題は「ボーナス問題」として近似値クイズになっており、ズバリ当てると通常の3倍が配点された(後述)。 また的中でなくとも、近い答えには主任教授の裁量によって部分点が与えられた。ズバリ正解者がいる場合は「正解者あり」と司会者から告げられる。
[編集] 成績評価
基本的には問題に正解すると個人別に10点が加算されるが、教授の裁量で完全な正解でなくても何点かを与えたり、正解者が3人以内だった場合は「ご褒美」として20点(1人の場合)、15点(2人の場合)、12点(3人の場合)を与えていた。 また、1人を除いて全員正解のばあい、その人には、慈悲で1点与えたこともあった。
最終問題の近似値クイズでは、正解すると30点が加算され、正解に近い場合も何点か与えられた。ただし、正解の数字と極端に離れていた場合、加点はしない。
また、近似値クイズで正解の数字と極端に離れすぎていたり、不正行為(本当は不正解だったのに、正解が発表された後であわててフリップを正解のものに書き直し、「当たった人~」で書き直したフリップを出した場合等)は減点の対象となっていた。減点はごく稀だったが、寺内タケシが2度も減点を犯していた(当然、出入り禁止処分)。
最終的に3人分の総得点がトップだったチームにゼミナール賞、個人最多得点者に優秀賞、2位に敢闘賞が贈られた。ゼミナール賞の賞品はグラフィックデザイナーの福田繁雄がデザインした、前から見ると「?」、横から見ると逆向きの「?」の形に見えるトロフィー。また、個人賞は前から見ると「?」、横から見ると「△」および「×」のトロフィー。ただしトロフィーは1個ずつしかなかったため、実際は収録後に返還し、別のトロフィーを受け取っていた。
[編集] その他
- 選択肢を示すためにアシスタントが持って並ぶパネルの内容が、鈴木健二の似顔絵で表されていることがたびたびあり、鈴木が「どこかで見たような顔ですが」というのがお約束だった。
- 説明に用いるセットや小物には小細工がしかけられている事がままあり、このイタズラにはまった鈴木健二が怒ってみせるのもお約束だった。例) 地球上の淡水の割合を問う問題で、説明のセットで淡水の部分に置かれたコップの水を飲んで見せたところが、塩水であった。
- 鈴木健二は問題の細かい数値データを含め、台本のすべてを完璧に覚えていたため、一切何も見ずに司会進行した(しかし放送を良く見ると、鈴木健二の口の動きと発声とがずれており、あとで音声を被せてあるのがわかる場面が散見されるといった指摘も存在する)。これは歴史への招待においても同じ。テーマに関して他の全スタッフの調査量が鈴木1人に及ばなかったという。
- 放送時間帯が重なる他局の番組、特に「良心的な番組」には脅威となった。世界名作劇場、すばらしい世界旅行などは、この番組が日曜日に移ってから視聴率が低迷するようになる。これらは打ち切られなかったが、1960年代以来長年放送されてきたアップダウンクイズのように、視聴率を食われてこの番組の放送中に打ち切られた人気番組も存在する。
- 1982年9月12日の放送は視聴率42.2%を記録した。これは、ビデオリサーチ社の調査ではクイズ番組史上歴代最高視聴率で、四半世紀近い年数が経った現在も破られていない。
- 鈴木健二の冒頭の挨拶時には当然「鈴木健二アナウンサー」とテロップが出たが、最後の約2ヶ月ほどは放送時点で鈴木がNHKを退職しているため、「アナウンサー」の文字が消えていた。
- 2003年2月1日、テレビ放送50周年を記念してNHK総合テレビで放送された「今日はテレビの誕生日」では、鈴木がはかま姿で登場し、「クイズ面白ゼミナール」を再現していた。
- 2005年、日本テレビ系列の「世界一受けたい授業」では、鈴木が講師として出演し、「日本語面白ゼミナール」と銘打って講義を行っていた。
- この番組の後番組が「クイズ百点満点」である。
- 明石家さんまが出演した時、講義の時間に居眠りをしてしまい、しかもそれが放送され、それ以来NHKからお声がかからなくなった、と本人がトーク番組で言っていた。(ちなみにその回のテーマは「鉛筆」だったそうである。)
[編集] 関連商品
- 書籍
- クイズ面白ゼミナール(日本放送出版協会、ISBN 4-14-016036-5、1983年)
- ゲーム
- クイズ面白ゼミナール(バンダイ、1983年)
- 小型の液晶ゲーム機とカートリッジ、問題集がセットになっている。カートリッジをゲーム機本体に差し込んで、付属の問題集に書かれた問題を読み、答えをゲーム機に入力して正誤を判断する。10問連続正解すると、本放送と同様に「?」の形をしたトロフィーを掲げた鈴木教授そっくりの姿が表示される。カートリッジと問題集は、歴史編・理科編・算数編の3種類が用意されていた。
NHK総合 日曜19:20 - 20:00枠 | ||
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