ギンブナ
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ギンブナ | ||||||||||||||||||||||
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分類 | ||||||||||||||||||||||
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学名 | ||||||||||||||||||||||
Carassius gibelio langsdorfi | ||||||||||||||||||||||
和名 | ||||||||||||||||||||||
ギンブナ |
ギンブナ(銀鮒、学名 Carassius gibelio langsdorfi)はコイ目 コイ科 コイ亜科の淡水魚。マブナとも呼ばれ、一般的にフナといえばキンブナとともに本種を指すことが多い。日本全国に広く分布し、主に池沼や河川の下流など、比較的流れの緩やかな場所に生息する。雑食性で動物プランクトン、付着藻類、底生動物などを食べる。大きなものでは体長30cmに達する個体も見られる。
[編集] 雌性発生
本種はオスの個体がほとんど存在しないことが知られている。繁殖期(4月~6月)になると浅瀬の水草に産卵するが、その際にはコイやドジョウ、ウグイなど、他の魚の精子が卵に入ることによって発生が進行する。しかし、その精子は卵の細胞核に結合することはできず、直ちに卵の外へと排除されてしまう。このようにメス由来の遺伝情報のみで繁殖することを「雌性発生(しせいはっせい・雌性生殖とも)」という。これは本種の染色体数が150で、他のフナ属の染色体数100と比べると1.5倍であるため(3倍体)、できることである。
[編集] 食材としてのギンブナ
最近では食用にされることも少なくなったが、本種はコイ同様、重要な食用淡水魚であった。現在でも秋田県八郎潟町周辺では「冬の味」として親しまれている。産地としては他に、千葉県の利根川流域、滋賀県の琵琶湖周辺などが挙げられる。主な調理法は、塩焼き、甘露煮、吸い物、刺身または洗いなどである。
愛知県や岐阜県周辺には、内臓を取って白焼きしたフナをじっくりと赤味噌で煮込んだ鮒味噌という郷土料理があり、また岡山県ではよくたたいてから油で炒めたフナの身とゴボウやニンジン、サトイモをだし汁で煮たものをご飯にかけて食べる、鮒飯という料理も存在する。
尚、琵琶湖特産の珍味として知られる鮒寿司は、琵琶湖の固有種であるニゴロブナを材料にしたものであり、本種ではない。