ガッシュ・ベルと高嶺清麿
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ガッシュ・ベルと高嶺清麿(たかみね きよまろ)は、雷句誠の漫画『金色のガッシュ!!』および同作を原作としたテレビアニメ『金色のガッシュベル!!』の登場人物。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
目次 |
[編集] ガッシュ・ベル
ガッシュ・ベル(声:大谷育江(140話まで)/吉田小南美(141話以降)) 主人公。金髪で、黒いローブを身にまとった魔物の少年。髪に隠れているが、二本の小さな角が頭にある。嗅覚が他の魔物よりも大変優れている。電撃系の術を使う。清麿の家へ鳥に掴まってやって来た。魔界にいる時から、何故かほとんどの術を発動している最中は一時的に気絶してしまう(術を放つときの気絶は今のところガッシュのみに見られ、またラウザルクやバオウ・クロウ・ディスグルグを使った時は気絶しない)。一人称は「私」で、「ウヌ」や「~なのだ」などの貴族言葉が口癖(この口癖は、作者が最初に「ウヌ」と思いついたことからきている)。好奇心旺盛で、正義感が人一倍強い性格。前向きで情に篤いそのまっすぐな心は、かつて心を閉ざしていた清麿やティオなどに大きな影響を及ぼしている。
実は現魔界王の息子であり、「雷帝」と恐れられるゼオンの双子の弟。生まれて間もない頃に父王から受け継いだ「バオウ」を隠すために庶民のユノへ托され、物心ついた時から冷酷な仕打ちを受けた。本当の家族(親)がいないという孤独で一時は塞ぎ込んでしまったが、偶然にも王族である両親と兄がいる事実を知ったことで希望を見出し、どんな時でも明るく過ごそうとした(家族に気づいてもらえるようにと、見様見真似で貴族言葉を使うようになった)。表面上(特に学校生活)では天真爛漫であるが、ゼオン同様、厳しい現実の中で生きてきた。しかし、そうした事情を知らないゼオンからは彼がもらうはずの「バオウ」を与えられ、更に彼のような努力をする事も無く「魔界の王を決める戦い」の候補者に選ばれたと誤解され、酷く恨まれていた。
人間界に送り出された後、ゼオンに魔界のころの記憶を奪われ、瀕死状態だったところを高嶺清太郎に助けられる。その恩返しとして日本にいる清太郎の息子・清麿を鍛え直すために日本へと向かった。魔界では落ちこぼれだったので戦い始めた頃は多くの魔物から初めに狙われたが、コルルのために何もしてやれなかった悔しさとその時の彼女の言葉で「優しい王様」を目指すことを決意し、清麿と共にいくつもの戦いを経て、魔界に居た頃とは比べものにならないほど成長した。対リオウ戦で清麿が瀕死状態になった時、“狂戦士状態”(体の色が変化・尋常でない力を発揮し、そのうえ本が異常な光を発する)となり、術の力が格段にパワーアップした。これは、清麿の「死」によってガッシュの本来の王家の雷の力が目覚めた時のもの。真の姿になったバオウに一度は心を食われてしまうが、二度目にはそのバオウを使いこなしてゼオンを倒し、彼と和解した。
人間換算年齢:6歳。身長:推定100~110cm。趣味:友達作り、バルカン遊び。好きな食べ物:ブリと清麿の母・高嶺華が作るご飯。
[編集] 呪文
- ザケル
- 口から電撃を吐く術。ガッシュの“狂戦士状態”後は、威力が増し、目眩ましという強力な補助効果が付いた。
- ラシルド
- 敵の術を電撃を付与して跳ね返す盾を出す術。跳ね返す際に電撃を追加するからか、若干強度は弱め。ザグルゼムを当て強化する事でギガノ級術を跳ね返すこともできる。また大きさを生かしての目眩ましに使われることもある。“狂戦士状態”後はそれまでより巨大になると共に紋章の数も増え、ザグルゼム無しの状態でもギガノ級の術をはね返せるようになった。
- ジケルド
- 近くにいるものを磁石に変える、磁気を帯びた光球を吐く術。飛ぶスピードは遅いが、相手に当たらなくても効果を発揮するため、不発だった事はあるが発動後に失敗したことはほとんど無い。近くに鉄製の物が無いと使用不可能なため、使用回数が非常に少ない。
- バオウ・ザケルガ
- 巨大な龍を吐き出すガッシュの最大呪文。通常の術は使えば使うほど心の力が減るが、この術はザケルなど他の術を使うほど力が蓄積され、攻撃力が増す。ただし、使用後は心の力のみならず、清麿の体力も大幅に消耗してしまう。ほかの術と異なり、最初からページの全体が読める状態で現れた術である。ガッシュの“狂戦士状態”後は、黒く禍々しい物になった。敵も味方も全てを喰らい破壊する。その姿、形はゼオンですら恐怖の色を見せるほど。後にガッシュの意思でバオウを操り、「大切なものを傷つける力を喰らう」術へと変貌した。
- ザケルガ
- ザケルの貫通力を上げた、一直線に走る電撃を吐く術。ザケルと同様、ガッシュの“狂戦士状態”後は威力が増していて(それまではロデュウ曰く「初級呪文の中の上級レベル程度」だったらしい)、ファウードの力を得てパワーアップしたジェデュンのギガノ級の術を簡単に破っている。
- ラウザルク
- ガッシュの身体能力を一時的に強化する術。使っている間気を失う事はないが、効力が持続している間は他の術を併用して使う事は不可能。原作では体が金色に光っているが、アニメでは虹色である。
- ザグルゼム
- 当たった場所に電撃を蓄積させ、電撃系の術を強化したり、電撃を連鎖誘導させることも出来る術。相手に直接複数発を当てる、もしくは地形を利用して複数個を上手く置き、その間に術を通す事で術を強化することや、直接相手の術に当て、強い術をザケルガなどの呪文で相殺することも出来る。形状はジケルドに似た球状だがそれほどは遅くは無い。とはいうものの決して速いとは言えず、敵に直接当てるには連携などで隙を狙わなければ当たる確率は低い。
- ガンレイズ・ザケル
- テオザケル
- ザケルの強化版。巨大な電撃を放つ術。ゼオンも使える。
- バオウ・クロウ・ディスグルグ
- 巨大なバオウの腕を放ち、ガッシュの意のままに相手を切り裂く術。ガッシュの術の中でも相当強く、ファウードの力を得てパワーアップしたジェデュンの最大呪文を打ち破った上に、この一撃でジュデン自身も送還している。またラウザルクと同じ様に、発動中ガッシュが気絶する事はなく、ガッシュの意思で操れる。
- マーズ・ジケルドン
- 反発する力と引き付ける力を持つ球体を放ち、相手の術をはじいたり、相手を球体の中に引きずり込み、閉じこめたりする術。閉じこめた相手が動こうとすると電撃を浴びせる。
尚、アニメでは149話で本がそれまでの赤から本来の金色に変わり、体力やすべての呪文がゼオンと同等のレベルまでパワーアップした。
[編集] 高嶺清麿
(たかみね きよまろ)(声:櫻井孝宏)
もう一人の主人公。ガッシュの赤色の本の持ち主。中学2年生でマサチューセッツ工科大学の首席卒業生の論文を難なく読みこなす天才児。頭が良すぎるために周囲の生徒達から妬みを買い、自堕落になり不登校気味の毎日を過ごしていた。ガッシュと出会い、その奔放さに振り回される内に前向きな行動を示すようになり、本来の明るさを取り戻した。現在では級友とすっかり打ち解け、実りある学園生活を送るまでとなっている。
魔物達との戦いにおいてはIQ190の頭脳をフル回転させ、ガッシュを勝利へと導く知将。戦いを通じて、身体能力もクラス内で上位になるほど高まった。しかし、料理だけは絶望的に下手で、自分すらその場で吐き出してしまうほどの殺人的に不味い料理を作る。ガッシュを王にするための道を探ることに日々余念がない。しかし、その頭のよさ故なのか、パムーンの石盤を発見した際にその謎を解こうとして自分でも意味不明な行動(氷につけたり、お湯をかけたり、ブリで叩いたり、マジックで落書きしたり)を取ったことがある。
リオウとの戦いで生死の境を彷徨ったが、復活。覚醒した後、相手の攻撃に対し、瞬時に次の動作に対する判断を下すことのできる「答えを出す者(アンサートーカー)」と呼ばれる能力を身につけ、持ち前の冷静な戦闘理論とともにその能力を生かした戦術をこなしている。ただしデュフォーによれば、この力はまだ未熟なうえ不安定なものらしい。
真面目な性格だが、同時にかなり短気な面があり、キレた時には阿修羅のごとき禍々しい顔になり、普段の冷静な清麿からは考えられない行動に出る(しかも回を重ねるごとに、どんどん魔人、もしくは鬼神に近づいて進化している)。元々は日常編のギャグ描写として見られるだけだったが、リオウ戦直後の昏睡状態から復活・覚醒して早々、ティオたちを馬鹿にしたロデュウに対して最早人間とは言えない程の凄まじい姿で拷問に近い電撃呪文の猛攻を加え、完膚なきまでに叩きのめした。その顔の恐ろしさは、あのゼオンやデュフォーでさえも驚愕してしまうほどである。
誕生日:9月18日。年齢14歳。血液型:B型。身長:172cm。趣味:読書、ツッコミ。好きな食べ物:ウナギ、コロッケ。好きなタイプ:素直な子。