カワサキ・W

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カワサキ・W（ダブリュー）とは、川崎重工業（カワサキ）が製造しているオートバイの車種名である。カワサキの由緒あるシリーズ車種であり、一時期の製造中断を挟み、現在は排気量675ccのW650と、同400ccのW400が存在する。

[編集] 650-W1・650RS-W3

原型は目黒製作所（メグロ）が製作していたK1という車両であったが、メグロがカワサキとの業務提携を経て吸収合併されると、K1の後継車種で当時現行機種であったK2（500cc）をカワサキが引き継ぐ形で650ccに拡大した車種の開発が行なわれ、1966年に650-W1が発表された。当時としては最大排気量のオートバイであり、そのエンジンがもたらす迫力により人気車種となった。なお当初は輸出を考慮していたことから右足シフト・左足ブレーキであったが、1971年に発表された650W1スペシャル（W1SA）では現在の左足シフト・右足ブレーキに変更されている。そして1973年に発表された650RS-W3では前輪にディスクブレーキが装備されたが、この650RS-W3をもって初期のWシリーズは生産終了となった。

このシリーズは当時から型番「W1」「W3」と呼ばれることが多く、シリーズに共通している英国風デザインの車体、直列2気筒のバーチカルエンジン、そしてエンジン下にあるメグロの血を受け継ぐ独特な形状のクランクケースにより日本国内では人気が高く、カワサキの伝説的オートバイとしてZシリーズに次ぐほど現在でも愛好家は多い。一方、カワサキが主要マーケットとした北米地域では発売当時より「BSAの兄弟車」などとデザイン面での評判が芳しくなく、また、特に高速走行時に発生する振動が凄まじく、各種の部品脱落の苦情が絶えなかったことなどにより販売成績的には後のH2（マッハIII500）やZ1に比べると見劣りのするものであった。

[編集] W650

W650は1998年、同社の名車であるW1イメージのネオクラシックモデルとして登場した。搭載されるエンジンは、OHVエンジンのプッシュロッドに似せたハイポイドベベルギアシャフトやスロットルポジションセンサー付きキャブレター採用の空冷 SOHC4バルブ直列2気筒で、最高出力は50ps(現在は48ps)を発揮。1軸バランサーの採用により、ツインエンジンらしい歯切れのいい鼓動を維持しつつも、不快な振動を抑えている。なお、総排気量は675ccであるがW650の名がつけられている。そのネーミングからカワサキのWにとって「650」という数字が特別なものとしてとらえられていると考えられている。

ハンドルは「コンチネンタルハンドル」と呼ばれるローハンドル仕様と、それよりグリップ3本分ほど高くしたアップハンドル仕様の2種類が用意されている。