カットソー
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カットソー(cut and sewn)は、編み物(ニット, knit)素材を裁断・縫製して作られるアウター衣類の総称。
代表的なものに、Tシャツ、キャミソール、タンクトップ、ポロシャツなどがある。シャツが平織りなどの織物生地をベースに縫いあわせて作られるのに対比した言葉。
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[編集] 編み物生地衣類の分類
一般に編み物生地の衣類の作り方には、
- a) 最終的な形まで成型して編む。
- b) 身ごろに分割して半成型したものをつなぎ合わせる。
- c) 成型せず編んだ(流し編み)生地を裁断・縫製する。
の3通りがある。このうち、c)の方法によるものをカットソーという。織物生地の衣類の場合も当然 c) の方法で作るが、これはカットソーとはいわない。
[編集] カットソーの定義の補足
別説としては、編み物のうち、特にらせん状に編む丸編みは、筒状に編み立てたものを切り開いて平面的な生地とし、それを裁断・縫製することから、その切り開く工程を指してカットという、という考えもある。編み物は、よこ編み(緯編み)とたて編み(経編み)に大別されるが、丸編みは、よこ編みのひとつである。この定義の場合、生地として特に丸編み、ないし、よこ編み生地のもののみに限定することになる。カットソーで使われる代表的な生地である天竺、フライス、リブ、スムースなどは、いずれも丸編みの一種である。
しかし、繊細ないしセクシーなテーストのカットソー(特に、ベアトップ、キャミソール、チュニックなど)では、重ね着スタイルでの着用を念頭に、トリコット、ラッセル、チュール、パワーネットなど、丸編み以外のニット素材を用いて、透け感、光沢、華やかさ、しなやかさ、フィット感などを演出する場合がある。したがって、カットソーの生地を厳格に丸編みのみに限定してしまうのは、デザイン上の自由度を損ねるもので望ましくないであろう。
他方、たとえば、ショーツやペチコートなど、少なくとも現状では純粋なインナーやランジェリーと考えられている衣類を、その生地と仕立て方のみに着目してカットソーと称するのも、一般消費者には混乱を与えるであろう。
近年、重ね着などでアウターとインナーとの融合が進んでおり、特に、カットソー系で著しい。これらは、重ね着でも下のものを見せるのを前提に着こなしが行われる。そのようなテーストの衣類を、アウター調インナー(またはニューインナー)として分類する。カットソーには、アウター調インナーも含まれると考えるのがよい。
[編集] カットソーの分類
[編集] 新しい動き
また、これまで、厚手で目の粗いセーターやカーディガンなどは b)の方法で、そして、より目の詰まった生地では c) の方法で、という棲み分けがなされてきた。近年、a)の作り方をするニット衣類として、全自動機械式よこ編みのホールガーメントが普及をはじめている。まったく縫い目のないフィット感の高い立体編みが売り物である。こうした最新技術が今後のニット衣料に与える動きにも目が離せない。